AIの産業利用が進む中、株式会社APTOは一番大変なデータのアノテーションを解決するプロダクト・ソリューションを提供し、「地球最速のデータ収集/作成プラットフォーム」を実現しています。代表取締役の高品良さんにAI開発支援プラットフォームの現状と今後について伺いました。

クラウドワーカーによるアノテーションプラットフォーム

AI開発の流れは、データ収集・作成(アノテーション)→AI構築(アルゴリズム作成)→組み込み→検証・評価と進み、再びデータ収集・作成に戻りますが、そのうちアノテーションには開発時間の80%が費やされます。

しかしながら、多くの企業は、データがそもそもなかったり、自社内にはデータはあるものの、整理するのに手間取ったり、作業を進めるための人手が不足していたりします。また、専門知識を必要としない作業であっても、高給のAIエンジニアがアノテーション作業に取り組んでいるケースも珍しくありません。

こういう課題を解決したのが、マンパワーが必要なアノテーション作業の効率化・品質の自動評価を実現するプラットフォーム「harBest(ハーベスト)for Data」です。

企業はまず、対象となるタスクタイプ(画像・動画・音声・文章)を選択して、プロジェクト名・公開範囲・予算・作業者の属性・実施期限・作業説明を入力します。次にプロジェクトに登録するファイルをアップロードします。最後に開始ボタンを押すとクラウドワーカーにタスクが飛んで、ワーカーは簡単な作業をするだけでポイントをもらうことができます。

また、データ収集・作成作業の品質自動評価により、信頼性の高い高品質なデータを収集することが可能です。例えば、1枚の画像について、3人の作業者に作業してもらい、低品質な作業があった場合でもそれがわかるようになっています。さらに、スマートチェッカーAIが作業者を評価し、自動的にポイント付与率を調整することで、作業品質の向上を実現しています。

ニーズに応じた依頼方法を用意していて、「通常ユーザー依頼」はスマホアプリ「harBest」をインストールしているすべてのユーザーに公開するものです。「Proユーザー依頼」は、本人確認書類や秘密保持契約、誓約書を提出しているユーザーへのクローズド公開なので、秘匿性の高いデータも取り扱えます。また、APTO(アプト)で完全内製化する「BPOサービス」もあります。利用実績はエンタープライズ企業が多く、累積で50社以上になります。

人間参加型機械学習(Human in the Loop)を重視

「harBest」は収穫を意味するharvestとbestの造語で、企業は欲しいデータをベストな状態で収穫でき、一般ユーザーはベストな時間の使い方でポイントを収穫できるという、両方の意味を掛けています。

AIは一回作ってしまえば良いものではなく、例えば、トレンドが移り変わるテキストデータ、画像データを扱う機械学習では、再学習が必要になります。そのため、人間参加型の機械学習(Human in the Loop)がより重要になってきています。

一般的に、アノテーション作業はPCで行われますが、「harBest」は日本で唯一、スマートフォンでの作業が可能なサービスです。例えば、文章を読んでその内容がネガティブかポジティブかを一般のユーザーが判断できる仕組みがあります。これにより、多くのアクティブユーザー(クラウドワーカー)による「Human in the Loop」が容易に実施できます。今後は、AIによるアノテーション自動化と人による判断を組み合わせたハイブリッドチェックによって人間参加型機械学習が容易に実現できるプラットフォームを目指します。

画像: 人間参加型機械学習(Human in the Loop)を重視

「人類の進化を最大限加速させる」ためにデータが必要

アノテーション企業として日本初のユニコーン企業を目指すAPTOのミッションは「地球最速のデータ収集/作成プラットフォームの実現」です。

人類の進化には大昔からツールが寄与してきました。ChatGPTが大きな話題となっていますが、生成系AIもデータがあったからこそできたことで、APTOのビジョンである「人類の進化を最大限加速させる」ためにも、「地球最速」でなければいけません。

高品さんは、「プラットフォーム提供事業では機能の拡充を通じて成長を目指したいと考えています。一方で、現在は一部の大企業のみが活用しているAIを、あらゆる企業が開発・活用できる世界を目指しています。AIのデータに特化した知見を生かし、コンサルティング事業も充実させたい」と意欲を語ってくれました。

画像: harBest(ハーベスト)イメージムービー youtu.be

harBest(ハーベスト)イメージムービー

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