次世代に希望と活力に溢れる豊かな物語を残すために、次世代リーダー「活き人」をひとりでも増やし、支援したい。そんな強い信念で株式会社グランストーリーを経営する越智敬之さんに、キャナルベンチャーズ株式会社 駒木敬が、創業前後の経緯と、現在スタートアップ業界で注目のプラットフォームSTORIUMの今後の展望について伺いました。

「Grand Story(あるべき豊かな物語)」を次世代につなぐための起業

駒木)キャナルベンチャーズでは、スタートアップやベンチャーキャピタル、アクセラレーターとともにビジネスエコシステムを形成し、持続的なイノベーションの創出を目指し、活動しています。きっと越智さんが描く世界観とも重なる部分は多いと思いますので、ぜひ色々なお話をお聞かせください。まずは自己紹介を兼ねて、起業されるまでの経歴や経緯を教えてください。

越智)インターネット黎明期の2002年にサイバーエージェントに入社し、約12年に渡って大企業の広告マーケティング領域におけるデジタルシフトを支援しました。その後、AOI Pro.(現AOI TYO Holdings)にて経営戦略やグループ会社統合プロジェクトのPMI責任者を務め、その後はIDOM(ガリバーインターナショナル)では新規事業開発やオープンイノベーション推進、ビジネス人材の人事責任者やリーダー育成に携わってきました。

多様な立場と役割を経てきましたが、一貫して私自身が取り組んできたテーマは、組織や個人の内発的な意志や可能性を探索し、その意志と可能性を解き放てるようなサポートを行うことでした。

そして2018年の秋頃にサイバーエージェント時代の同僚でもあったジェネシア・ベンチャーズの田島聡一さんから数年ぶりに連絡をもらって再会。そこから数ヶ月間、真面目にお互いの価値観や信念をすり合わせる深くウエットな対話を重ねました。やがて2人の目指すビジョンや解決すべき課題論点が徐々に収斂し、2019年5月、株式会社グランストーリーを創業。こうして今の私たちの挑戦がはじまりました。

駒木)グランストーリーという社名の意味や由来について教えてください。

越智)グランストーリー(GrandStory)には「希望と活力に溢れる豊かな物語」との意味を込めました。そのような物語を次世代に届けるためのチームがグランストーリーです。またこのチームに集うメンバーひとりひとりも、仲間との挑戦を通じて、希望と活力に溢れる豊かな物語を紡いでいって欲しい、そんな想いを込めた社名です。

また企業ロゴには、大海原にそびえ立つ燈台を家紋調のピクトグラムにし、日の丸とおなじ紅色を基調色に配しました。次世代の日本のために、私たちは荒波が押し寄せる大海原を逞しく航海し続ける「活き人たち」を明るく照らす燈台として立ち続けていく。社会に向けた宣誓的なメッセージを込めました。

画像: 「Grand Story(あるべき豊かな物語)」を次世代につなぐための起業

グランストーリーが掲げるビジョンとミッション

駒木)グランストーリーのビジョン・ミッションを教えてください。

越智)今の日本は、持てる能力の高い人が多いにも関わらず、自分の想いや在るべき姿で思考し、周囲を巻き込んで行動出来る人が極めて少ないと感じています。このままでは次世代に課題や借金を先送りするだけで、日本の未来に希望は抱けない。このような強い危機感に、居ても立っても居られず、私と田島はグランストーリーを創業しました。

また私たちはひとりでも多くの「次世代リーダー=活き人」を増やし、活き人たちの挑戦を応援伴走することにフォーカスを定めています。またそんな活き人たちが同じ目的やテーマを見出し、互いの強みを活かしあうパートナーとなれる場と仕組みがあれば、きっと日本じゅうで同時多発的にイノベーションが起き、希望と活力に溢れる豊かな未来に近づくはず。

そのような想いから、私たちは以下のVISION・MISSIONを定めました。

VISION:次世代に希望と活力に溢れる豊かな未来をつなぐ

MISSION:意志ある人の可能性を解き放ち新たな価値を生むプラットフォームをつくる

次世代リーダー育成事業 「IGNITION」とプラットフォーム事業「STORIUM」を展開

駒木)「活き人」について、もう少し詳しく聞かせてください。

越智)私たちの考える「活き人」とは「自らのあるべき姿から思考し、制約条件に囚われず、高い熱量と行動力で人びとを惹きつけ周囲を巻き込んでいくリーダー」と定義しています。

大企業との連携経験の豊富な起業家たちの声に耳をすますと、リードコミュニケーションにかなりの労力と時間を要した割に、ROIに見合った成果は難しかった、とのシビアな悲鳴が聞こえてきます。その要因を紐解くと最終的には2つの課題に行きつきます。

それは大企業側の判断基準と権限移譲が曖昧なままであること、そしてキーパーソンが私たちの言うところである「活き人」ではなかったということ。この背景には、大企業の多くが「決められたこと正しく行うため」の管理統制型のマネジメントシステムのままであることが起因しています。

駒木)オープンイノベーションの成功には「活き人」の存在が必要ということですね。

越智)そのとおりです。大企業が未来に向けて実現したいビジョンやミッションから問い直し、社会課題を起点にWHYとWHATから新機軸を描く挑戦に果敢に挑み続ける、いわゆる非連続なイノベーションを生み続けるには、ひとりでも多くの「活き人」が大企業の中心に立ち、そこから組織OSをアップデートしていくことができると考えています。

そのような考え方から、グランストーリー創業初期は「活き人」への行動変容・OSアップデートをサポートする集中プログラム「IGNITION(イグニッション)」を企画し、2020年2月~3月に第1期、8月~10月に第2期を開催しました。

画像1: 次世代リーダー育成事業 「IGNITION」とプラットフォーム事業「STORIUM」を展開

駒木)第2期以降のプログラム予定はいかがですか?

越智)新型コロナウイルスの感染拡大の影響から第3期の開催は未定です。IGNITIONは仲間とのノンバーバルなコミュニケーションを重視したオフラインのワークショップが行動変容を後押しする設計のため、パンデミックが落ち着くまでは再開しない予定です。

駒木)そして「STORIUM(ストリウム)」を立ち上げられたのですね。

越智)はい。先ほども申し上げました通り、創業前から「活き人」を増やすこと以外に「活き人」たちがつながるプラットフォームの構想はありました。同じ目的や課題を共有する「活き人」がつながり、互いの強みを活かしあうチームとなれば、彼らのプロジェクトの成功確率は格段に向上し、社会課題の解決やイノベーションの実現速度も早くなると考え、チームみんなで話し合いながら、新たなプラットフォームをつくる挑戦をスタートさせました。

画像2: 次世代リーダー育成事業 「IGNITION」とプラットフォーム事業「STORIUM」を展開

ステークホルダーとの最適な一期一会を実現するプラットフォーム「STORIUM」

駒木)「STORIUM(ストリウム)」の開発背景を教えてください。

越智)次世代イノベーションを牽引するスタートアップと投資家、そして大企業イノベーターの各キーパーソンたちにとってパートナー関係につながる有益な相手との出会いは、それぞれの挑戦の成功確率を左右するくらいの超重要ファクターです。しかしながらコロナ禍によって、ステークホルダーの皆さんが一堂に会する機会は大幅に減少してしまいました。このままでは、この国の産業イノベーションもスタートアップエコシステムの成熟も欧米に遅れる一方。そんな危機感を抱いたことから、デジタル起点でその懸念を解消するプラットフォームをつくれないかとチームで議論をはじめました。

またその過程で、そもそも従来までの出会いのシーンには多くの情報非対称性があったことに気がつきました。出会いたいキーパーソンに出会えるかどうかもわからない中で、闇雲に名刺交換を繰り返していたことで、多くの時間と労力、そして名刺を無駄にしていたわけです。

このようにかつては当たり前だったあらゆるプロセスを再定義し、スタートアップや投資家、大企業のイノベーションチームの皆さんの意見も取り入れながら開発を進めた結果、現在のSTORIUMの体験スキームが出来上がっていきました。

駒木)私たちも活用させてもらっていますが、まさしくキーパーソン同士のセレンディピティの可能性を引き出す、ありそうでなかったプラットフォームができあがりましたね。

越智)ありがとうございます。企業と企業のSNSのような仕組みでありながら、人と人の有機的なつながりも可視化できる新たな世界観が広がっています。

次回は、新産業創造プラットフォーム「STORIUM」についてより詳しく伺います。

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