拡大を続けるネット通販や消費者の多品種小ロット化、働き方改革による2024年問題など、倉庫業界、物流業界には大きな変化が求められています。株式会社souco代表取締役の中原久根人さんに、今後のサービスの展望について伺いました。
二極化した需要に対応
現在soucoが提供しているサービスは、大手向けと小口案件の2つに分かれています。
大手のニーズは、倉庫を探したいわけではなく、決められた期間・物量でオペレーションを実行することです。倉庫業は、フォークリフトを動かして入出庫したり、検品したりと、オペレーションすべて込みで成り立っています。突発的な需要や季節変動もあり、その瞬間だけ人を確保するのは難しいため、入出庫も含めてオペレーションを依頼したいというのが本音でしょう。
価格や条件など詳細な要望を伺い、soucoのデータベースに登録されている会社に、その要件を開示します。この内容で受けられる事業者に手を挙げてもらう、相見積もりに近い仕組みです。基本的な概念としては、どこの倉庫でも一つの倉庫のように使えます。つまり、全国1300拠点の倉庫を自由に使えるようにしました。
一方でパレット数や段ボール箱単位での問い合わせがあり、「この荷物をどうにかしたい」「1週間後から荷物を預けたい」といったニーズもあります。マッチングプラットフォームのsoucoでは、荷姿と利用日数を選択したら、料金が算出されます。箱のサイズ、入出庫のルールもこちらで指定し、この条件ならこの料金とメニュー化しています。トランクルーム以上、倉庫未満のような困りごとを抱えている事業者も多いため、この層にはメニュー化したサービスでリーチしていきたいと考えています。
「テクノロジーで物流リソースの最適配分を支える」をミッションに
働き方改革関連法で猶予期間が設けられていた、車両運転業務に対する適用が2024年4月1日にスタートします。ドライバーの時間外労働時間が年960時間に制限され、例えば、九州から東京までトラックで荷物を運ぶ際、どこかのベースでバトンタッチする必要が出てきます。soucoは日本で一番倉庫のネットワークを持っていると自負しているので、受け渡しの中継地点として活用してもらえば、この問題も乗り越えられます。ただ、今までの貸し方は最短で1日単位なので、サービスの細分化が必要になるでしょう。どういう要件が必要か、社内で検討しているところです。
そのサービスの発展形として、最適な場所から出荷し最適なルートで運ぶ、場所を基点にできるプレイヤーになりたい。個別貨物の世界では、ヤマト運輸が個人向け貨物を集めていろいろな街のデポに置き、仕分け、混載して全国に発送しています。soucoは、そのBtoB版になり得るのではないか。
あらゆる拠点を自前で持たず、その時々で最適なポイントを使いながら、最適な場所を中継して運ぶことができるからです。それが安いコストで実現できれば、みんなが幸せになる仕組みになります。soucoは、「物流リソースの最適配分を支える」をミッションに掲げ、サプライチェーン全体の最適化を進めていきます。