事業計画クラウド「Scheeme」は中小企業に代わり、あらゆる制度融資や補助金で資金を獲得し、資金繰りまでまとめて支援するサービスです。「お金の悩みをなくし、ビジネスにサステナブルな成長をもたらす」をミッションに掲げる、Scheeme株式会社代表の杉守一樹さんに、「Scheeme」の独自性と会計ソフトとの連携について伺いました。

国内に競合がいない融資準備を網羅した独自のサービス

駒木)「Scheeme」のサービスの紹介をお願いします。

杉守)サービスの特徴としては、中小企業の資金調達の手段、制度融資や申請に必要な事業計画書をクラウドで作ることができます。利用可能な補助金などを探して、計画書とシームレスにつなげていきます。作った計画はどんどんアップデートされて、毎期変わる補助金や制度融資に年々ずっと使い続けられるSaaSのモデルです。

駒木)そもそもどんな補助金があるかとか、自分たちが使える融資があるかもわからない。そういう中小企業でも会計ソフトは結構入っていたりしますよね。会計ソフトと「Scheeme」の違いを教えてください。競合ではなく連動するんですか。

杉守)そうです。会計ソフトではリアルタイムのデータを確認できません。逆に僕らが持っていない実績データは会計ソフトと連携することで、安定した経営が可能になります。

駒木)競合するサービスはありますか。

杉守)エンタープライズ向けのサービスはありますが、資金繰りや銀行融資のためのサービスは国内にはないと思います。

画像: 国内に競合がいない融資準備を網羅した独自のサービス

駒木)なるほど。金融機関との連携はどの程度進んでいますか。

杉守)今は融資を希望するユーザーを送客する形ですが、今後は僕たちがやっているカスタマーサクセスの金融機関になってもらう。つまりScheeme自体がただのSaaSではなく、プラットフォーム化することで、支援するプレイヤーが金融機関や税理士になります。実際に地銀の担当者にも自分の取引先が補助金を受けたい時にScheemeを使ってもらっています。取引先、融資先の企業と金融機関がScheemeで一緒に作るという流れに持っていきたい。

駒木)何かの置き換えというよりも、今までやっていなかったところを埋めていく感じですね。スモールビジネスとスタートアップでは昔から考え方が全然違いますが、どちらを狙っているんですか。

杉守)今は9割以上が中小企業型ですが、スタートアップ型もやっています。スタートアップでも売り上げが立っていたら融資を受けられますが、特にシード期は月に20万円あるかないかで、その段階で融資は受けられない。そこを国の制度で支援してほしいというニーズはかなりあります。僕たちは中小企業経営力強化支援法に基づく経営革新等支援機関に認定されているので、そこの支援ができます。

モニタリングとスコアリングの両輪だからできること

駒木)VC(ベンチャー・キャピタル)のジェネシア・ベンチャーズは金融領域の大きな変化の方向性として「与信の事前承認化」に注目し、法人向け融資の分野ではScheemeを挙げていますね。

画像: モニタリングとスコアリングの両輪だからできること

杉守)現状では僕たちがフロント業務の効率を上げて、かつ機会を増やしています。いろんなネットバンキングにヒアリングしていますが、ネットバンキングをいきなりやるのはかなりハードルが高い。銀行の融資がどう決まるかはブラックボックスで、実際にはエイヤーで決められていて、金額と返済期間もエイヤーで決められているようです。決算書を何となく読んで、システムがあるのでその格付けに合わせて、月商の3倍で貸しますとかになっています。ところが、コロナ禍で事業者が債務超過になって、これ以上借りられない現状で、ここに対して与信を作っていかなくちゃいけない。

各金融機関が法人向けのオンラインレンディングを行っているが、自行の口座残高だけでしか審査できない。でも僕たちは電子決済代行業の資格を持っていて、freeeに連携しているデータは全部取れるので、いろいろなデータからスコアリングの判断ができます。このスコアリングで融資を行って、モニタリングもします。金融機関はモニタリングができないから、年に1回決算書を見せても金利は変わらない。モニタリングをスコアリングと掛け合わせていくことが大事で、リアルタイムモニタリングができれば金利が下げられ、長期貸し付けで利益も出るし、乗り換えもかなりできます。

駒木)モニタリングは借り手にとってもメリットはありますか。

杉守)かなりあると思います。実際に銀行に行って、月次の様子などを話しに来るような会社はうまくいっています。とは言え、銀行員も数が限られているので、その対応ができない。フラグを立てて、モニタリングは別軸のほうがメリットとして大きい。また、決算書では読み取れないところも、勝手にモニタリングされていることで、気がついたら資金ができているところが大事かなと思います。

駒木)モニタリングすることで、今までどんぶり勘定でわからなかったものが、1カ月先、2カ月先が見えてくるんですね。

杉守)決算書は社長に対する通知表みたいなものなので、見せたくないという心理的な負荷を減らしてあげるのも大事なポイントになってくると思います。スコアリングでどれくらいの位置付けで、貸し付けが月商倍率からどれくらいいけるかをわかるようにしてあげられます。

駒木)融資は腹の探り合いというか、あんまりさらけ出しちゃうと借りられないので、なるべく隠す傾向にありました。でも逆に明らかにすると、金利も安くなるし、融資を受けやすくなるっていう文化の変わり目にScheemeが位置付けられるのかなという気がします。

杉守)ありがとうございます。そうありたいと思っています。

次回は起業プラットフォーム「Scheeme」と周辺サービス、今後の展開について伺います。

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