「AI配車アシスタントLOG」は、どの地点の、どの車両で、誰が、どういう順番で運ぶと効率的かをAIが瞬時に計算し、限られた車両・ドライバーのリソースを最適化できる、運送業界向けSaaSです。株式会社Logpose Technologies(ログポーステクノロジーズ)の代表取締役CEO羽室行光さんに、物流業界の課題解決に向けた取り組みと、今後の展開について伺いました。

物流の2024年問題解決にはトラックの積載率アップが急務

2024年4月の法改正に伴い、トラックドライバーの労働時間が短縮されることで生じる「物流の2024年問題」が注目されています。どの業界でも人手不足が言われていますが、トラックドライバー不足は特に深刻です。このままでは2030年には34%の輸送力不足が予想されています。

2024年問題の解決策として、荷待ち時間・待機時間の削減、パレット化による手荷役作業の削減、リードタイムの延長、再配達の削減などが挙げられています。しかし、最も効果的な解決策はトラック運送の輸送力改善だと羽室さんは考えます。

営業用トラックの積載率は約38%(2020年度)で、トラックが運んでいるのは空気が6割と言われています。そこで、複数の荷主の荷物を1台のトラックにまとめる共同配送を実現できれば、積載率は上がります。

日本の荷物は規格化があまりされていないので、さまざまな積荷の形状に応じて最適な積載を導き出すことはまだ難しい段階です。ただ今すぐにでもできるアプローチとしては、指定時間の緩和があります。例えば、9時指定の2店舗に対して2台で納品していたものを、9~10時の指定なら1台で2店舗を回ることができます。

ヒューリスティック×AIで本当に使える自動配車システムを実現

配車計画は勘と経験を要するので作れる人が限られていて、属人化と後継者不足が大きな問題です。小さい会社ではホワイトボードに手書きとかエクセルで管理していて、デジタル化もできていません。

「AI配車アシスタントLOG」は、クラウドでの配車管理、配送指示の出力伝達のほか、経営管理や案件情報の一元管理など、使いやすい機能で業務効率化を実現します。また、案件情報の入力も容易で、ワンクリックで最適な配車計画が完成します。配車計画を毎日作成する運送業者が導入した場合、配車業務時間が2時間から10分になり、使用トラック台数も30台から25台に削減できたという事例もあります。配車時間・配送計画の最適化や荷主ごとの走行距離・重量・Co2排出量の可視化も可能です。

独自開発のAI「LOG」は、これまで一般的に使用されていた数理最適化をベースにしたアプローチと異なり、ヒューリスティック×AIという柔軟な作りが特徴で、共同配送で必要とされる複雑な条件を考慮した最適な計画を瞬時で作成できます。配車マンの考えをそのままロジックに落としていくような感じでわかりやすいが、弱点としては精度が低いことです。数理最適化なら2台のところが、ヒューリスティックでは3台になったりしますが、そこをAIが補完します。LOGによる配車計画は簡単に修正できて、最先端のAIが各社の事情を考慮した配車結果を学習して、納得できる配車結果を自動で出せるようになります。

運送会社同士のネットワーク化から、物流のマーケットプレイス構築へ

貨物情報と空車情報をマッチングさせる求貨求車システムは昔からあって、2024年問題の解決策としても有効です。ただし、単純にマッチングだけをしているだけでは介在価値がありません。荷主と運送会社の間に入り、物流事業を業務委託として受ける責務を負うことと、今までデータ化ができなかった部分を可視化して効率化することで、Logpose Technologiesが主導する価値を提供したいと思っています。

共同配送に特化したノンアセット型3PL「LOG-3PL」を2024年2月より開始予定です。定期的な輸配送業務の委託や突発的な物量のスポット依頼に対応し、最適な運送会社に定期依頼し、ルート単位で最適なスポット発注を行うものです。案件に最適な運用方法をAIが策定し、荷主の変化に対応した柔軟な体制を構築し、コスト削減を実現します。運送会社は空きリソースの有効活用により利益の最大化が図れます。

今後の取り組みとして、羽室さんは「自動配車システムの普及を図り、運送業の業務効率化・利益率向上を実現することが第一歩です。次に、運送会社同士のネットワーク化を進め、共同配送を促進するプラットフォームを確立し、最適な物流マーケットプレイスを構築します。それによって、物流業界の効率化とサステナビリティの向上に貢献することを目指します。」と述べました。

さらに、「将来自動運転が中心になったときには、管制塔となるようなAIを実現させて効率的な物流システムを作っていきたいと考えています。」と抱負を語りました。

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