幼児向けミールキット配送サービス「baby’s fun!」を提供する株式会社sketchbookは、保育園における給食運営効率化だけでなく、デジタル化や新規ビジネス創出までを視野に入れた取り組みを進めています。代表取締役の多田出昇さんに、今後のビジネスの可能性や目指す将来像について伺いました。

オリジナルの献立作成から監査書類フォーマットまでサポート

保育園向け離乳食・幼児食キット「baby’s fun!(ベビーズファン)」を導入している施設は2023年7月現在で約650園です。カット食材だけでなく、オリジナルのミールキットを利用している園もあり、どちらも順調に登録数を伸ばしています。

保育園向けの給食運営支援というニッチな分野で勝負することに対して、多田出さんは「従来の給食事業者は、各園に同じ献立を提供するか、あらかじめ用意された固定の献立メニューの中から選んでいただく形式でしたが、私たちの強みは、献立システムを使って子どもたちの情報を蓄積しながら園ごとにオリジナルの献立が作れるという点です。また、将来的に保育園以外にも、介護施設の給食や、働く親御さんへの夕食献立支援などへと横展開できる可能性が高いと考えています。」と分析します。

クラウドサービスとして提供している「献立Labo」は、いくつかの質問項目を入力するだけで1カ月分の献立が出来上がる献立システムです。マニュアル不要で直感的に利用できるのが特徴で、カロリー計算やアレルギーチェックなどで長時間の作業が必要だった献立作成がわずか15分程度で完成します。作成した献立に合わせて食材も注文できるため大幅な時短につながります。

画像: オリジナルの献立作成から監査書類フォーマットまでサポート

「献立Labo」には毎日の献立情報だけでなく、子どものアレルギー情報や給食日誌、検食簿といった情報も蓄積されています。これらは年に1回行われる自治体の監査時に提出資料として活用でき、事務作業の効率化にも役立ちます。保育園ではいまだ手書きで監査書類を作成しているところも多いため、身近な部分からデジタル化を進めていくことで保育業界のDXを推進していきたいと多田出さんは考えています。

介護業界向けへの展開や業界のDX支援にもビジネスを拡大

「保育士にとって最も重要なのは、子どもたちと向き合うことです。その時間を創出するためにも資料作成や給食運営などの事業はどんどん効率化していくべきです。ただニッチな業界でプレイヤーが少ないため、保育業界の経験を持った私たちがDXの部分までも支援していければと考えています。」

また給食の献立支援サービスは、将来的に介護をはじめとした他の業界でも展開できる可能性があります。さらに蓄積した食関連のデータを分析することによる新たなサービス創出も期待できます。

「0歳から5歳までの期間は、味覚を作る、食べる練習をするための一番大切な時期で、非常に有益な情報が得られます。データ活用に関してはまだまだ未知数ですが、蓄積したデータを活用して食育や健康に役立つサービス創出に取り組みたいと考えています。」

将来は「人が健康になっていく仕組み作り」まで

2022年の出生数は、過去最少の77万人にまで減少しました。政府も異次元の少子化対策を掲げていますが、子どもを増やしていくためには、あらゆる企業が、あらゆる面で支援を行い、子育てしやすい環境を整えていくことが必要です。sketchbookは「食」の部分からさまざまなサービスを展開して支援を行っていきます。

その第一歩となるのが、保護者向けのミールキット販売です。子どもを迎えに来たお母さんの利便性向上が目的です。保育園にも冷蔵ロッカーを設置して、子どものお迎え帰りにネットスーパーの注文品を受け取れるサービスも検討しています。

「子供の成長に資したいという想いは保育士も親御さんも共通しています。そこに私たちが子どもへの食事の提供の利便性を高めるサービスを提供することで、その想いに寄り添っていきたいと思っています。」

将来のビジョンについて多田出さんは「会社としてはIPOを目指すと公言しています。競合する企業もいくつかありますが、本気で保育業界に注力しているところは私たちしかない。単純に給食運営の効率化をするだけではなく、人が健康になっていく仕組み作りをしていきたいと思っています。そうすることで、子どもと、子どもに関わるすべての人がHAPPYになる世界を実現していきます」と力強く答えてくれました。

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