2015年に解禁された株式投資型クラウドファンディングは、個人投資家が少額からスタートアップに投資できる仕組みです。個人投資家とスタートアップとをつなぐプラットフォームを運営するイークラウド株式会社 代表取締役 波多江直彦さんに、起業の経緯やクラウドファンディングの可能性について伺いました。

IT×ベンチャーキャピタルの経験を最大限活かして創業

波多江さんは、大学卒業後に入社したサイバーエージェントでインターネットビジネスに携わった後、ベンチャーキャピタルで投資事業に従事。2015年に金融商品取引法改正で株式投資型クラウドファンディングが解禁になったことを契機に、「ITビジネス」と「ベンチャーキャピタル」という経験を活かしてイークラウド株式会社を2018年7月に創業しました。

株式投資型クラウドファンディングとは、インターネットを活用して非上場企業の株式投資を募る仕組みです。企業が資金調達できる金額は1年間で1億円未満、個人投資家が投資できる金額は1社に対して1年間で50万円以下と少額なのが特徴で、スタートアップの新しい資金調達手段として注目されています。

個人投資家に対しても、株式投資型クラウドファンディングによりエンジェル投資を小口化でき、投資の敷居を下げて利用者を増やす効果があります。投資しても利益が生じる保証はありませんが、中長期的に企業を応援する手段として利用者が増加しています。

イークラウドは、個人投資家とスタートアップをつなぐプラットフォームとして2020年7月にサービスを開始しました。現在、15社のスタートアップが株式投資型クラウドファンディングを通じて資金調達を行っており、なかには上場企業によってM&Aされ、個人投資家に利益を還元した案件も発生するなど順調に成長しています。

利益よりも「がんばっている企業を応援したい」が投資のモチベーション

通常の株式投資は、投資家が上場企業の株式を購入して配当金・株主優待などの対価を得るほか、株式を売却して利益を得ます。一方株式投資クラウドファンディングの場合は、株式を購入することで企業を応援し、将来のIPOやM&Aを待つという投資スタイルです。流動性があり売買が容易な上場株とは異なり、基本的には売買できないなど、同じ株式といっても2つは大きく性質が異なります。

個人投資家が株式投資型クラウドファンディングを行う動機は、社会的貢献度が高い活動を行うスタートアップや新しい挑戦を行う経営者を応援したいという気持ちや、スタートアップ支援により日本発のイノベーションを生み出したいという気持ちが強いようです。

まだ社会的に成功していない企業を地道に応援するのは、地下アイドルやインディーズバンドを応援する、「推し活」に近い感覚です。世の中にまだ知られてないけれども、この人はいいと思うよ、成長するよ、大きくなるよという気持ちで応援する。金銭以上に、精神的な満足度を得られることがモチベーションにつながっています。

スタートアップ投資の民主化を図る

地域や事業内容に共感し応援したいと思うストーリーがあること、必ずしも利益が出るとは限らないことから、株式投資型クラウドファンディングのことを、「ストーリー性のある宝くじ」と例える方もいるそうです。企業を応援し、運よく大成功したら利益が出るかもという程度の期待値で投資するくらいのマインドが株式投資型クラウドファンディングには求められます。

イークラウドが目指すのは、個人投資のハードルを下げてスタートアップ投資の民主化を図ることで、クラウドファンディングを新たな金融インフラだと捉えています。イークラウドは日本の未来をつくるために挑戦するスタートアップを支援し、日本発の新しいサービスを生み出す助けになるはずです。

波多江さんは、「将来的に株式投資型クラウドファンディングを、銀行、証券と並ぶ第三の金融システムにまで成長させたいという想いを持っています」と将来への期待を語ってくれました。

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