「誰もが夢を見られる社会へ」をビジョンに掲げる株式会社Compassは、年収500万円未満をターゲットに、無料のオンライン相談を通じてキャリアカウンセリングを行い、AIやキャリアコンサルタントによるキャリアマッチングを展開しています。代表取締役社長の大津愛さんに、事業を始めたきっかけと、他の転職エージェントサービスとの違いを伺いました。

働きたくても働けない現状を打破するために何ができるか

働きたくても働けない、働いても働いてもギリギリの生活しかできない。そんな人々の切実な悩みを解決できないかと考えたことが、Compass起業のきっかけでした。

大学卒業後、営業職としてキャリアを積んだ大津さんは、出産後に求職のために利用したハローワークで、10年以上の法人営業経験があるのに仕事が見つからない現実に直面します。ハローワークの担当者に相談しても、営業職と子育てを両立したいという思いに応えてくれません。ライフステージの変化に対応したキャリア支援が十分でないこと、企業が求める人材と求職者の考え方には大きなギャップがあることを痛感します。

それなら、自分が働きたい人を支援する立場になろうと、就職支援を手がけるNPO法人に「営業力を生かして企業を集める」とアピールして採用されました。
引きこもりやニートの人たちに再就職を支援するNPOでキャリアカウンセラーとして3年半働き、地方自治体と連携して企業開拓などを担当しました。国家資格のキャリアコンサルタントがきめ細かく相談に応じることで、いろいろな問題を抱える人たちが底上げされながら就職に結びついていくことに非常にやりがいを感じました。

その一方で、年間百人くらいしか対応できないことに限界を感じ、またワーキングプアと呼ばれる、働いても働いてもなかなか生活が豊かにならない、貧困から抜け出すことができない層に対して、本当に必要な支援がなされていないと気づかされました。

「日本からワーキングプアをなくす」をミッションに起業

ソーシャルセクターや自治体の担当者は、熱い思いを持っていて、一人ひとりが助けられるだけ助けようとしているけれど、助けを必要とする人々は日本で増え続けています。何とかテクノロジーを使って、たくさんの人が相談できるような仕組みや、エージェントサービスを提供できないか、という思いが強くなりました。

今までの人材紹介サービスは年収が高い人たちを対象として、紹介手数料で成り立つビジネスです。しかし、年収が低くても成り立つ、いろんな事情を抱えた方々がサポートの行き届いたエージェントサービスによって貧困から抜け出せたり、貧困に陥る少し手前で救うことができるという確信があったので、その仕組みを実現したいと考えるようになったのです。

そこで、NPO在職中にキャリアコンサルタントの資格を取得した大津さんは、
「日本からワーキングプアをなくす」というミッションを掲げ、神戸市のスタートアップ育成支援事業を通じ2017年9月にCompassを創業しました。

中低所得者層に特化したマッチングサービスを提供し、社会課題に取り組む

2018年7月には、オンラインキャリアカウンセリングサービス「CHOICE!」β版の提供を開始します。LINEのチャットボット機能を使用し、誰でもどこでもいつでもキャリアカウンセリングを受けることができる無料サービスです。2019年1月に正規版をリリースし、企業と求職者のマッチングや定着支援などの機能を強化し、累計2万3000人以上に利用されています。

広告収益やコンサルタント料に頼る従来の人材紹介のビジネスモデルから脱し、自治体との連携でユーザーを開拓し、自社開発のシステムでコストを圧縮する仕組みを構築し、経済的リターンと社会的インパクトを両立させるビジネスモデルを目指しています。

画像: 中低所得者層に特化したマッチングサービスを提供し、社会課題に取り組む

「500 Startups Kobe Accelerator」や大阪市など、複数のアクセラレータープログラム採択企業となり、2022年現在累計5億円を超える資金を調達するまでになりました。無料キャリアカウンセリングサービスPFやAIによるキャリアマッチングなどの開発提供も行っています。

GovTechとして自治体と協働しテクノロジーを用いて、「氷河期世代」や「ひとり親家庭」「非正規労働者」「ヤングケアラー」「女性の再就職」など、貧困に直結した社会課題に取り組んでいます。

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