金融サービスと情報技術を結びつけたフィンテックは、金融機関のあり方を大きく変えました。モバイルを軸にしたチャレンジャーバンク、ネオバンクなど、異業種やスタートアップによる新規参入も活発です。フィンテック領域の中でも新しい資金調達サービスを提供する株式会社Fivotのビジネスや創業経緯について、共同創業者であるCEO 安部匠悟さんとCFO 佐保百合⼦さんに伺いました。

既存金融機関の課題を解決する「チャレンジャーバンク」という選択肢

Fivot共同創業者の安部さんと佐保さんは、共に外資系大手証券会社の投資銀⾏部⾨出身です。M&A関連の実務担当として銀行や保険会社などの金融機関と仕事をする中で、国内の金融機関のあり方には今の時代に合わなくなっている部分があると感じていました。

海外では、テクノロジーを活用した新しい銀行サービスが市場に新規参入する「チャレンジャーバンク」と呼ばれる業態が増加しています。既存金融機関が徴収する各種手数料を自動化するなど、デジタルシフトによって無料にして顧客からの支持を集め急成長しています。

二人は既存金融機関が抱える課題を解決する手段としてチャレンジャーバンクに将来性を感じ、海外のビジネスモデルをそのまま輸入するだけでなく、より日本の状況と今の時代に合わせた新しい金融機関を作ることを目標に2019年10月Fivotを創業しました。現在は法人向けデットファイナンス事業と個人向けVisaプリペイドカードサービス「IDARE」を展開しています。

デットファイナンスとは、金融機関からの借り入れや社債を発行することで資金を調達する手法です。debt(デット)とは負債のことで、返済義務が発生します。企業が新株を発行して資金を調達する手法はエクイティファイナンスと呼びます。ベンチャーキャピタルからの投資はエクイティファイナンスに該当します。

スタートアップの事業特性に注目したRBF(売上連動型ファイナンス)

Fivotが採用しているのはRBF(Revenue Based Financing、売上連動型ファイナンス)と呼ばれる手法です。デットファイナンスの中でも、売上⾼に連動して毎月の⽀払額が変動する資⾦調達⼿段で、今後の事業成⻑を踏まえた柔軟な資⾦調達が可能なのが特徴です。

アメリカではRBFがスタートアップの資金調達手法として既に確立しています。その背景には、ソフトウェア機能をクラウド上で提供するSaaSや、メーカーが直接消費者と取引するDtoCのようなリカーリング(継続的に取引が発生する取引形態)、サブスクリプション(商品・サービスを利用する権利を一定期間購入する取引形態)型のサービスが増加したことがあります。

リカーリングやサブスクリプションは買い切り型のサービスよりも長期的な売上予測が立てやすいため、過去1年間のユーザー推移や解約率がわかれば比較的精緻な売上予測が可能です。そのため売上高と連動したRBFと相性がよいのです。

赤字を出し売り上げを伸ばしながら成長していくスタートアップの特性に着目したRBFを選択することで、リスクの問題で銀行がなかなか手を出せない領域でも融資を行えるのが大きな強みとなっています。

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