まとまったお金を持たない10~20代の若者にとって、すぐにお金が手に入る「日払い」は魅力的です。このニーズをつかんで成長しているのが給与を必要な時にいつでも受け取れる即日払いサービスPayme(ペイミー)です。株式会社ペイミー 代表取締役 後藤道輝さんにサービスの特徴を伺いました。
柔軟な給与支払いを実現するPaymeで働いた分の給与をいつでも受け取れる
Paymeは給与の即日払いサービスです。企業の勤怠システムと連携して社員の勤務実績分を先に支払い、後から企業に精算する仕組みになっています。利用者(従業員)はスマホアプリで操作を完結でき、企業も「勤怠データを登録する」「前払いを希望する従業員が申請する」「利用実績分を控除した給与を自動精算する」という3つのシンプルな手続きで済む導入の手軽さが特徴です。これは企業側に費用が一切必要なく、初期費用ゼロで導入できる福利厚生になります。
単身世帯の2人に1人が貯蓄ゼロ、10~20代で貯蓄していない人の割合は60%を超えていると言われます。手元にお金がない状況で利用できるサービスも多く、年間のカードローンの流通は6兆円近くあったり、買い物でも後払いが人気です。まとまった貯蓄を持たない若い世代を中心に、すぐにお金を手にしたいというニーズがあるものの、今までは対応することが難しい状況でした。代表的な収入源である給料も、月末締め翌月払いというサイクルが一般的なため、個別に日払いに対応しようとすると、企業側の手間や時間がかかり大きな負担になります。そこに着目して2017年9月に給与即日払いサービスPaymeを始めました。
最初は知り合い企業に声がけしたところ非常に反応が良く、手応えを感じました。サービスへの問い合わせも多くあり、順調に導入企業を増やしています。サービスを開始してから2年余り経った現在、飲食店を始め人手不足に悩む企業を中心に約300社が導入、12万人以上がサービスを利用するまでに成長しています。
企業の負担を減らしながら求人応募数向上と離職率低下を実現
Paymeが提供する給与の即日払いは、利用者にとってメリットですが、企業にとっても大きなメリットがあります。人材採用に力を入れている企業にとっても大きなメリットがあります。給料日に縛らず、働いた分の給与を受け取れるPaymeは、求人応募数や従業員定着率の向上に貢献するからです。
10~20代がアルバイトを探すときに、検索キーワードとして「〇〇(場所)日払い」が一定のボリュームを占めます。人手不足の飲食業界では、人を獲得するために給与を日払い可能にしているところも少なくありません。日払いを導入している企業の中には、求人案内に「日払い」と明記するだけで応募数が3~4倍になったという声もありました。しかし、チェーン店舗では1人のエリアマネージャーが数店舗を管理しているので、毎日営業が終了してから伝票を整理して賃金計算をして各人に給与を支払うとなると処理が煩雑になりミスも増えます。企業としては、日払い対応したいと思いながら、システムが追い付いていない状況があり、Paymeはそこに対してサービスを提供しています。
またコールセンターや飲食店のような業界では入社した従業員の約半数が勤務初月に退職すると言われています。それを防ぐために、初出勤で1回いくらと日払いすることで離職率を下げ、定着率を向上する効果が見込めます。
Paymeの面白いところは、資金を持っている人ではなく、「今お金が手元にないが、将来価値の高い人」をターゲットにしていることです。企業のミッションに「資金の偏りによる機会損失のない世界を創造する」と掲げているように、目指すのは月に1回しか支払われない給与制度が持つ不便さを解消し、働く人とお金の関係がもっと自由になる未来。お金の出入り手段を多様化することによって利用者の機会損失を防ぎ、同時に企業にとっても採用の機会損失を防ぐことができるところが大きな魅力です。