働き方改革が求められる中、オフィスでは徐々に業務の効率化、省人化が進められています。来客対応業務を自動化するACALL(アコール)も順調に利用社数を伸ばし、現在では2000社以上に導入されています。サービスを提供するACALL株式会社の代表取締役 長沼斉寿さんに、起業の経緯を伺いました。
自分たちのニーズから現在のビジネスが生まれた
ACALLは、受付や会議室予約などの来客対応業務を自動化するソリューションを提供しているスタートアップです。人が幸せに働ける空間づくりを目指し、数年間IT企業で経験を積んだ後、ITと空間デザインを組み合わせた事業をしたいと起業しました。
当初はインテリア会社の情報を集めたポータルサイト運営や、メンタルヘルスをモニタリングして産業医と連携したサービス運営などを行っていました。エンジニアが多い職場環境で、予定していない来客や飛び込み営業などの訪問により作業の手が止まってしまうことが気になっていました。そんなときワークスタイルの改善として、受付業務を自動化するアプリを作って受付の在り方を変えようという案が出ました。これがACALLの前身です。
アプリを自社で運用してみたところ、訪問客から「新しい受付のかたちで素晴らしい」「うちの社でも導入したい」という声が聞かれるようになりました。そこでこの取り組みをブログとSNSで公開したところ、複数の企業からサービスの引き合いがきっかけとなり事業化しました。このサービスは2016年7月に正式リリースし、2017年には社名も同じACALLに一本化しました。
デジタル時代の「場」で人の働き方が変わる
ACALLでは、「新しいはたらき方」を自らが実践して、発信する、という事業理念を掲げています。自分たちが率先して新しいワークスタイルを発信していくことで、みんなが幸せになる社会づくりに貢献できるのではないかと考えます。
事業を開始して約3年が経ち、現在は大手ビル管理会社やセキュリティ会社、スタートアップまで、2000社以上の企業に導入されています。Chatwork、Line、Slackなどさまざまなツールと連携し、顧客の細やかなニーズに柔軟に対応できる点が大変評価されており、デザイン性、価格面も好評です。高額な開発費は不要で、初期費用もほとんどかかりません。人数分の月額利用料モデルなので企業規模を問わず利用できる点も導入のハードルを下げています。
ACALLは受付から会議室予約、入退室管理といった一連の社内業務を自動化することで、全体効率化を進め、生産性を向上させます。例えば、会議室の空き状況が見える化されるため予約は簡単で、お茶出し、片付けのステータスも管理できるようになります。またクラウドカレンダーと連携して、反映されるのでアポイント管理を含む、業務改善や業務効率を上げることに大きく貢献でき、人の働き方も変えていけると考えています。