空き家情報をデータベース化したAKIDAS(アキダス)を運営する空き家活用株式会社は、空き家問題や過疎化といった課題を解決するだけではなく、その先に街づくり、住みやすい環境づくりを視野に入れた挑戦をしています。未来に向けて新しい住環境づくりに取り組む理由を代表取締役社長の和田貴充さんに伺いました。

街づくりまで視野に入れた空き家活用を

空き家市場は20兆円と試算されており、うまく活用できれば社会問題が解決するばかりか、不動産業界全体にとってもプラスになります。私たちの現在行っている事業はAKIDASによる情報提供事業が主ですが、今後の展開としては空き家の所有者と購入・利活用したい個人、運用してほしい民泊事業者、売ってほしい不動産業者など、関係者同士をマッチングするサービスを計画しています。

私たちのミッションは、「日本の空き家問題を解決すべく新たな市場を構築し、新しい「暮らし」と「働く」を創造する」というものです。需要がないところに無理に市場を作って住宅を建築・販売するのではなく、現在の状況を踏まえつつ空き家の新たな使い方や別の空間を創造して、新たな働く拠点にしていくことが大事だと思っています。

多様な生活スタイルに寄り添った街づくりを目指したい

目指しているのは、いま必要とされながら、未来にも喜ばれる企業であり続けることです。私たちの子供が大人になった頃に、「あの会社があったから今の生活があるんだ」と言ってもらいたい。プラットフォーム事業から始めましたが、今後注力していきたいのは街づくりです。

2019年3月には空き家の利活用で西武線沿線の街を再開発するプロジェクトが、西武ホールディングスが実施する事業創出プログラム『Swing(Seibu With Idea setter ‘n’ Growthhacker)』で選出され、鉄道会社と一緒に地方創生、地域沿線の活性化にも取り組み始めています。また企業や行政と連携して新しい空き家活用モデルを構築していこうとしています。

日本の人口減少が進み、住宅街が減ってくる中、街にはテーマや質が求められるようになっています。魅力的なストーリーがあり、皆が来たくなる空間、街、地域を作っていくことが目標です。

モノを所有しないシェアリングエコノミーや複数の生活拠点を持つ多居住拠点が新たな生活スタイルとして受け入れられ始めているように、生活者のライフスタイルは多様になっています。空き家活用を通じていろいろな住まい方の受け皿になる場所を作り、リタウン(re-Town)とも呼べる街の再構築を実現することを目指し、「Town becontinue(街はずっと続いていく)」というコンセプトで社会と協力しながら一緒に取り組みたいと考えています。

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