デザインを通じてコミュニケーションを、マーケティングの川上から川下までを経験したことでマーケティングの課題を学んだTieUps株式会社CEO/CDO・Founder の小原史啓さんは、「ファンの育成こそ、企業と個人のコミュニケーションを円滑にする」という「FRM(Fan Relationship Management)」という概念にたどり着きました。小原さんにFRMの概念について伺いました。

FRMという新発想

個人が発信する無数の情報のなかで、コミュニケーションは分散しています。しかし共通の趣味嗜好を通じてコミュニティを形成させることができれば、企業と消費者とのコミュニケーションが円滑になると小原さんは考えました。

企業と消費者を結ぶコミュニケーションは、どのようにあるべきか。近年ではCRMツールが提供されてきましたが、小原さんは、単なる顧客(Customer)ではなく、ファン(Fan)を育てることが、企業と消費者を結ぶ鍵であると結論づけました。これが、CRMではなくFRM(FanRelationship Management)というコンセプトです。

「従来はAIDMAといった心理フレームワークに基づいてCRMツールが開発されてきましたが、時代とともに心理プロセスは変わります。私たちが採用しているのはAIDEESモデルです。心酔(Enthusiasm)して推奨(Sharing)してもらうという段階の課題解決を考えた結果、ファンを育成するソリューションに行き着きました」と小原さんは話します。

心酔・推奨する好例がiPhoneなどアップルの新製品といえるでしょう。深夜になるまで新製品が発売するのを心待ちにし、何千万人が購入のクリックを押し、SNSで他者にブランドの素晴らしさを発信するといった行動は、まさに単なる顧客とはいえず、ファンといえます。ではどうすればアップルのファンのような購買プロセスを踏んでくれるのでしょうか。

ブランドが理想とするファン像を導き出す

小原さんによれば、潜在顧客を心酔させ、他者に推奨させるプロセスは、一般的な広告手法とは大きく異なります。小原さんが「狭告」と呼ぶ、より狭くて深いマーケティング施策です。例えば、1万人の無言のフォロワーよりも100人の発言力のあるファンのほうが周囲への伝播力があります。動画の再生数を増やすよりも、コアのファンに響くコンテンツを提供することが重要です。

また、コミュニティ参加者の中から理想的な語り手を選び出し、発言力を高めるというのも、従来の広告の枠を超えたアプローチです。この思想は、体験型ファン育成プラットフォーム「WeClip」にも反映されています。

WeClipは、ブランドストーリーを語ることのできるファンを育成するためのコミュニティプラットフォームです。ゲームのような体験を通じて語れる顧客を育成します。例えば、他の人に語りたくなるようなブランドの背景などのニッチなコンテンツも、ブランドが本当に届けたかったコアファンに確実に届けることができます。コアファンはブランドのパートナーとなり、共に歩んでいく「パートナー顧客」となっていきます。

同社はプロダクトだけでなく、コンサルティングも提供しています。ブランドによって、理想とするファン像は異なります。「例えば最先端のソフトウェアを使いこなす知識レベルの高いファンのほうがより影響力がありますし、コンビニエンスストアの飲料ブランドを勧めてくれるファンのほうが共感が持てます。まずブランドの理想とするファン層を導き出し、彼らが推奨してくれるような仕組みをプログラミングします。重要なのはプロダクトではなくプログラムです」と小原さんは話します。

ファンも企業も喜ぶ仕組みづくりを

無数の情報発信者からファンを育成し、コミュニティに発信していくことで顧客を獲得していくFRMの概念に基づき、企業と個人とのコミュニケーションの円滑化を目指す小原さんは、今後の展望を次のように話してくれました。

「将来、lit.linkのユーザとFRMツール(WeClip)が融合していくと、企業もファンも喜ぶような仕組みになります。例えばファンをブランドの授賞式に招待したりすれば、企業にとっても今まで数字でしか見えなかったファン像が見えてくると思います。『伝えたい人に伝わる社会』というビジョンに向かって、狭く深いコミュニケーションを、グローバルに展開したいと考えています」

無数の消費者に向かって大量の販促物を配布する時代も、既存の顧客のLTVに従って顧客を管理する時代も経た小原さんがたどり着いた解は、「ブランドに心酔させ、他者に推奨するファンを育成する」という手段でした。影響力のあるファンを育てることで企業のブランドを高めるという発想は、まさに個人の時代においてふさわしいといえます。

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