セルフレジをはじめとした接客のデジタル化、オンライン化が加速しています。アバターによる接客サービスを提供する株式会社kiwami代表取締役の三鴨千早さんとProducerの鈴木祐史さんに、起業の経緯や同社が提供するサービス、将来目指す姿について伺いました。

バーチャルキャラクターによる接客に可能性を感じた

三鴨さんはもともと大学卒業後、東芝でエンジニアとして20年以上活躍していました。インターネット創世期には、東芝のインハウスベンチャーである駅探(駅前探検倶楽部)の立ち上げに参画して、電車の乗り換えサービスなど、インターネットを活用したコンテンツ事業に関わってきました。

その後、ソーシャルゲームや、チャットボットの開発に携わってきました。デジタルコミュニケーションの重要性を実感する中で、チャットボットのような吹き出し型のUIでテキストをやりとりする方法は時代のニーズに合っておらず、人と自然に会話するようなアバターによるコミュニケーションに大きな可能性を感じたそうです。そこで今まで培ったビジネス経験やノウハウを生かし、デジタル技術を活用したさまざまなソリューションを展開する株式会社kiwamiを2019年に創業しました。

主な事業はバーチャルなキャラクターを使ったデジタルサイネージや接客ソリューションです。なかでもバーチャルなキャラクターによる接客サービス「xR Cast」は、社会的な問題となっている働き手不足を解消する手段として業種を問わずに利用されています。特に接客業、小売業は費用対効果が出やすいため相性がよく、旅行代理店や携帯電話販売店、スーパーマーケットで採用されています。

例えば、大手リテール販売でお惣菜の販売をしたときに、それまで人が実演販売をしていたものをアバターに置き換えてみました。バーチャルなキャラクターだと近寄りやすさや説明の調子に合わせて購買につながるといった仮説を立てましたが、お惣菜の売り上げが通常の2倍になりました。

総合スーパーのイトーヨーカドーでは、2022年5月からバーチャル遠隔接客サービス「xR Cast HoloPhone」の本格導入を開始しました。同社が運営するアプリのサポート窓口としてアバターが対応するもので、店頭で質問する顧客に対して遠隔地にいるオペレーターがアバター越しに接客します。チャットボットよりも感情表現が豊かで、より良い顧客体験を提供できることに加えて、1人のオペレーターが複数の店舗を担当できるため、省人化・効率化にも貢献できるメリットがあります。またスタッフにとっても、アバターを通して接客することでストレスを軽減し、心理的安全性の確保にもつながります。

画像1: バーチャルキャラクターによる接客に可能性を感じた

旅行代理店の近畿日本ツーリストでは、顧客が来店しなくてもオンラインで接客が受けられる「旅のアバターコンシェルジュ」サービスを開始、システムにxR Cast HoloPhoneを採用しました。ホテル、温泉、クルーズ、または東北、北陸といったジャンルごとに異なるキャラクターが、コンシェルジュとして旅行の相談にのってくれるサービスです。それぞれの専門知識を持ったプロがアバター越しに対応するため、顧客満足度向上が期待できます。

画像2: バーチャルキャラクターによる接客に可能性を感じた

お客さまが店舗でより良い体験ができる未来を目指して

多くの企業が合理化を進めていった結果、どんどんAIやロボットによる自動化が進んでいます。しかし現時点の技術レベルでは、ロボットはインプットされた言葉を話して決められた動作をするにとどまり、顧客が期待するほどの顧客体験が提供できていない可能性があります。おもてなしという観点で考えた時に、わざわざ店舗に足を運んでくれたお客さまに対して、ロボットが決まった受け答えをするだけなのは残念なことだと三鴨さんは言います。

「次々とシステムやロボットを導入して無人化を進め、いわば店舗が巨大な自動販売機のようになるのは、企業が求める姿ではないはずです。これからの新しい店舗は、省力・省人化を進めながらも顧客体験を損なわない店舗です。kiwamiでは、AIやホログラムなどの先進的なデジタル技術を活用しつつ、人と人のコミュニケーションをさらに良いものにしていくことを目指しています。」

画像: 20210121 HolophoneDemo youtu.be

20210121 HolophoneDemo

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