キャンピングカーはいまや高価で特別なものではなく、自己表現や自分らしいライフスタイルを実現するための空間として位置付けられています。Carstay株式会社は、キャンピングカーのレンタルや車中泊スポットの予約ができるアプリの提供から、キャンピングカーのDIY作業場や工場の運営へと事業を拡大しています。代表取締役CEOの宮下晃樹さんに事業の詳細と今後の展開について伺いました。

登録車数は500台を超え、会員数も5.4万人を突破

「Carstay」はキャンピングカーのシェアと車中泊スポットの予約ができるアプリです。キャンピングカーのオーナーが車を使わない時に利用希望者に貸し出す仕組みで、利用者は用途に応じてさまざまな車を借りられます。一方で、オーナーには副収入を得られ、車の維持費を軽減できるメリットがあります。

登録車数は関東圏を中心に500台を超え、会員数も5.4万人を突破しました。また、300カ所以上の車中泊スポットを予約できるようになっています。現在、利用者の9割が日本人ですが、今後は外国人旅行者の利用増加が期待されています。

安全面にも配慮されています。事故や盗難時にはカーシェア保険で補償されるほか、オーナー・利用者ともに免許証で本人確認を済ませた人のみ登録が可能です。また、利用者の運転歴に基づいて操作可能な車を提案するシステムもあり、初心者でも安心して利用できます。さらに、車の鍵の受け渡しは対面で行うことが義務付けられており、利用者はオーナーから直接説明を受けられます。

さまざまな場面で活躍するキャンピングカー

当初は外国人旅行者の移動と宿泊手段を念頭において事業をスタートしましたが、国内でも「キャンピングカーに乗りたいが、買うことはできない」「たまに利用したい」という需要が多くありました。

また、日本ではペットと一緒に泊まれるホテルが少ないため、ペット同伴の旅行に活用している人も多くいました。加えて、宿が不足していて、イベントやお祭りのときにパンクしてしまう地域には、キャンピングカーを提供するというニーズも増えています。他にも、キャンピングカーを災害時の復興支援や、自治体や企業の防災訓練に貸し出すこともあります。

オリジナルキャンピングカーを製造

「MobiLab.(モビラボ)」はキャンピングカー製造の拠点として立ち上げられました。その背景には、「購入したいと思えるキャンピングカーが市場に少ない」というユーザーの声がありました。Carstayを利用する約5組に1組がキャンピングカーの購入を検討しており、乗り比べをしています。特に、おしゃれな内装や運転しやすいコンパクトなキャンピングカーへのニーズが高い一方で、そのような選択肢が少ないことが課題でした。

「MobiLab.」ではDIYスペースを完備し、オーナー同士が交流できるコミュニティスペースも提供しています。また、オリジナルキャンピングカーの製造工場としても機能しています。2023年にはオーダーメイドで中古車の改造からEVキャンピングカーまで対応する体制を整えました。2024年からは、人気のある2モデルをラインアップに加えた同社オリジナルキャンピングカー「SAny.」の量産を開始しました。「SAny.」は「Stay Anywhere, Anytime.」の頭文字を取ったもので、「時間と場所にとらわれない世界を作る」という宮下さんの想いが込められています。

現在、国内ではキャンピングカーの需要が高まり、生産が追い付いておらず、新車の納品に数年かかることもあります。しかしCarstayでは中古車を仕入れ、自社工場で製造することで迅速な納期対応が可能です。

海外でも通用するブランドを確立し輸出へ

現在、海外からの問い合わせも増えています。宮下さんは、日本のキャンピングカーのブランドを海外市場に展開し、輸出も視野に入れています。

「移動空間を滞在空間に作り変える技術で、移動体験に滞在体験という付加価値を提供できるのがキャンピングカーです。将来はキャンピングカーにとどまらず、バリエーションを増やし、さまざまな車種や体験に対応していきたい」と宮下さんは語ります。

将来的に自動運転技術が普及すれば、キャンピングカーは「街中を動くリビング」として、さらなる可能性を秘めています。快適な空間設計や体験の幅がさらに広がる中、宮下さんは「キャンピングカーのシェアと所有の両方のニーズを叶える事業を拡充していくことに価値がある」と力強く展望を語ります。

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