株式会社TAIAN(たいあん)は、ブライダル業界向けにWeb招待状や顧客管理システムを提供するSaaSスタートアップです。IT業界出身者ならではの視点から見えてきた業界の課題や、今後の展望について、代表取締役 CEOの村田磨理子さんと取締役 COOの米倉元気さんにお話を伺いました。

ITスキルのギャップ解消が課題に

ブライダル業界は、カップルの晴れの舞台を演出するという仕事柄、華やかなイメージを持たれがちです。しかし、業界全体でIT化がそれほど進んでおらず、働く現場では複数の課題が見受けられると米倉さんは指摘します。

例えば、結婚式場で働くウェディングプランナーはアナログ業務が多く、ITスキルを習得する機会が限られています。スマートフォンやアプリを日常的に使いこなしている若いスタッフであっても、現場では電話やファックスを使って発注作業を行うのが一般的です。この状況が当たり前になると、顧客とウェディングプランナーの間でITスキルのギャップが生じ、業務上の問題につながる可能性があります。

さらに、ウェディングプランナーがキャリアを築く中で、ITスキル向上は、現場の効率化だけでなく、キャリア形成にも役立ちます。そのため、このギャップを埋める取り組みは、業界全体の成長と働く人々の可能性を広げる上で欠かせない重要な課題だといえます。

結婚式は、今の時代に合った変化が求められる

結婚式そのものが長い間大きな変化をしておらず、現代のニーズに対応できていない点も課題です。国内で結婚式が最も盛り上がったのは1990年代で、ゲストハウス(ハウスウエディング)やレストランウエディングがブームとなりました。しかし、この全盛期に活躍したオーナーや経営者の中には、結婚式のスタイルを変えることに慎重な人も少なくありません。

一方で、ブライダル業界は固定費の高さや利益率の低さ、リモートワークが難しく土日祝日に勤務する環境が不便であることなど、構造的な課題を抱えています。その結果、人材の採用が難しくなっているのが現状です。こうした状況に対応するには、DXを推進して1人当たりの生産性を向上させなければ、売り上げを維持することが困難です。

米倉さんは、IT化によって業界全体の課題を解決し、結婚式そのものを進化させる必要があると考えています。これにより、結婚式という文化の社会的価値を再認識させ、次世代へ継承することができると期待しています。

お祝いや、人と社会とのつながりを通じて日本を盛り上げていきたい

TAIANはブライダル業界を中心にテクノロジーを活用したサービスを展開し、業界の変革に取り組んでいます。お二人に長期的なビジョンを尋ねたところ、お祝いや、人と社会とのつながりを通じて日本を盛り上げていくことに使命感を感じていると言います。

村田さんは、「お祝いは、これまで社会の一部として重要な役割を果たしてきました。しかし、業界全体でテクノロジーの導入が遅れたことで、“時代遅れのイベント”とみなされている側面があります。このままでは、祝うという文化そのものが廃れてしまう可能性があります。私たちは、お祝い事とITを融合させることで、この文化を社会にとって必要な存在として次世代に残していきたいと考えています」と語ります。

また米倉さんは、「私たちの戦略は、あえて競争が激しい領域を避ける逆張りの発想です。それゆえに、誰も手がけていない面白い事業を生み出せると信じています。生活の根本にある『お祝い』をテーマにしている企業は他にはないからこそ、自分たちは堂々とこの分野で応援される存在であってもよいと思っています。ビジネスを成長させることで、日本社会全体にもプラスの影響をもたらせると確信しています」と続けます。

短期的な目標として、事業と組織の拡大を挙げています。目の前の課題にしっかりと向き合い、業界や関連サービスへの貢献を深めながら、最終的にはユニコーン企業として飛躍することを見据えています。

さらに、ブライダル業界という比較的参入障壁の高い分野での事業展開については、「市場シェアを50%以上に高め、業界内で確固たる存在感を示したい」と展望を語ります。また、結婚式場の平日稼働率向上といった具体的な取り組みを通じて、ブライダル事業者の支援を進め、業界全体の生産性向上とイノベーションを目指しています。

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