スマホのカメラをかざすと、その人が着ているデジタルファッションを映し出すSNSアプリ「flah(フラー)」は、これまでになかった画期的なアプリとして関心を集めています。開発した株式会社harmonyの代表取締役CEO原島篤史さんにflahの特長と今後の展開について伺いました。

デジタルファッションを日常で普通に着られる世界

「flah」のアイデアは、原島さんが長年温めてきたものでした。自己表現としての「服」に着目し、スマホのカメラをかざすだけでその人のデジタルファッションを見られる仕組みを思い描き、ついに実現へと動き出しました。2024年10月にアプリを正式リリースしました。

画像: デジタルファッションを日常で普通に着られる世界

利用者は友人に会う際、その場でデジタルファッションを選んで着替えるなど、リアルタイムでのファッション体験を楽しんでいます。これにより、アプリを介しつつもリアルなコミュニケーションが自然に生まれています。

現段階では、スマホのカメラをかざすことでデジタルファッションを着ることができます。ですが、将来的にARグラスの普及により、人が会ったときに自然とデジタルファッションが映し出される世界を目指しています。

デジタルファッションをトータルでサポート

harmonyは、「flah」の運営に加え、デジタルファッションブランドの設立やECサイトの運営も手掛けています。音楽大学出身の原島さんをはじめ、哲学研究者、先端技術の専門家、3Dデザイナーなど、多彩なバックグラウンドを持つメンバーが揃っています。この多角的な視点を活かし、未来のデジタルファッションを幅広く開発しています。

既存アパレルブランドのデジタルファッション進出の支援も行っています。また、インフルエンサーや企業とのコラボレーションによるブランド展開も増えていく見通しです。技術面のサポートだけでなく、企画からマーケティングまでトータルで支援できる点がharmonyの強みです。

さらに、デジタルファッションでは、着用頻度やコーディネートの傾向などのデータが簡単に数値化できます。そのため、従来のファッション業界が持つ課題解決にも役立てられる可能性があります。

急速に伸びるデジタルファッション市場

デジタルファッションが注目され始めたのは2020年頃ですが、海外では市場が急速に拡大しています。たとえば、例えば、アメリカではZ世代の2人に1人が毎日Robloxにログインしているという報告があります。

Robloxは、自分でゲームを作成したり、他の人が作ったゲームを楽しんだりできるオンラインプラットフォームです。仮想空間でのコミュニケーションや自己表現が特徴で、アバターのファッションをカスタマイズする日常体験も提供しています。こうした動きは、日本でも広がる可能性があります。

現在、VRチャットやアバター用のデジタル服の価格帯は2000円~5000円程度が主流です。リアルなファッションと同じように、高級ブランドとファストファッションがそれぞれの魅力を持ちながら市場を分け合い、さらなる多様化が進むと予測されています。

「人に会いたくなるアプリ」が自分を表現する自信につながる

「flah」の最大の特徴は、他のSNSには一般的な「つながり機能」を持たないことです。ありとあらゆるものが簡単につながるのが当たり前になっている世の中で、実際に人と会わなければ楽しめない仕組みを採用することで、「人に会いたくなるアプリ」としての魅力を高めています。

原島さんは、この仕組みに込めた想いを次のように語ります。
「SNSでは、10万人、100万人というフォロワーを持つ人がいますが、本当に深くつながれる相手はごく少数です。だからこそ、身近な人とのコミュニケーションをもっと大切にしてほしいと思います。」

さらに、友人同士で利用する特性から、どんな格好をしても受け入れてもらえる安心感があります。こうした交流を通じて、自分の遊び心や自己表現を肯定的に受け取ってもらうことで、自己表現に対する自信を深める効果が期待されています。

デジタルファッションが生む「服の民主化」

「かざすと見える」という仕様は、デジタルファッションが自分の「内側」のファッションとしても捉えられます。人間は多面的な存在であり、場面や相手によって異なる自分を持っています。flahは、見せたい人にだけ見せるファッションとしても浸透しつつあります。ARグラスが進化すれば、街中の人にはスーツを着ているように見えて、友達にはおしゃれで個性的なデジタルファッションが見える、といったことも実現可能になります。

写真がデジタル化され、動画編集が誰でもできるようになったように、flahは「誰でも服を作り、自由に着られる時代」の到来を目指しています。デジタルファッションを作る側も着る側も自由な自己表現が可能となり、「服の民主化」が加速するでしょう。

誰もが自由に自己表現できる機会が増えることで、自己表現のスキルが向上し、他者から認められることで自信を持つことができます。また、さまざまな人々の表現に触れることで、多様性への理解も深まります。原島さんは、多様性を推進する中で直面している対立や分断を乗り越え、人々が共存できる社会の実現を目指しています。

This article is a sponsored article by
''.