製造現場DXプラットフォーム「Smart Craft」は、製造現場における計画、実績収集、分析までを一貫してデジタル化するクラウドサービスです。代表取締役の浮部史也さんに、事業転換の経緯やサービスの特徴、今後の展開についてお伺いしました。

ペーパーレスSaaSから製造現場DXプラットフォームへの進化

当初構想していた「Smart Craft(スマートクラフト)」は、「日報のペーパーレス化」を最優先に、「製造データの見える化」へとつなげるものでした。しかし、10社ほどの製造企業でトライアルを行った結果、正式版リリースを中止しました。これは、中小企業向けに絞ったビジネスに限界があり、真の顧客ニーズに十分応えられていないことに気づいたためです。

「Smart Craft」の導入を検討する段階で、多くのフィードバックとして、進捗管理や工程管理、生産計画と実績の比較、予実管理などへの活用を求められました。単なる生産記録のペーパーレス化だけでは不十分であることが明らかになりました。その結果、製造業に特化した業務システムを、カスタマイズではなくSaaS型で提供するというコンセプトに切り替え、中小企業向けから中規模~エンタープライズ向けにプロダクトの方向性を転換しました。

現在の「Smart Craft」は、製造現場における計画、実績収集、分析までを一気通貫でデジタル化するクラウドサービスです。「Smart Craft」に蓄積されるデータを活用することで、工場全体の生産性向上につなげることが可能です。

画像: ペーパーレスSaaSから製造現場DXプラットフォームへの進化

工場全体のスマート化・製造DXを推進する

製造現場では、いまだにExcelでの工程管理や紙の作業記録が使用されています。また、複数のシステムが混在していて、データの連携や共有が十分に行われていません。その結果、蓄積された実績データが活用されず、眠ったままになっています。

製造業では人手不足が加速し、生産性の向上が急務となる中、製造ラインのデジタル化が進む一方で、工場全体のスマート化や製造DXを進める上で導入コストや推進者の不足が大きな課題となっています。こうした課題を解決するために、「Smart Craft」が目指す製造現場DXは、計画から指示、実績収集、分析までをワンストップでデジタル化するものです。SaaS型のクラウドサービスとして提供されるため、導入コストを抑えてスモールスタートが可能です。

「Smart Craft」にExcelの生産計画データをドラッグ&ドロップで取り込むだけで、ガントチャートなどの形式で簡単に生産計画の変更や調整が行えます。現場作業者がスマートフォンやタブレットで「開始」をワンクリックするだけで、自動的にステータスが生産中に変更され、事務所ではその製品がどの工程まで進んでいるのか、生産中か、保留中か、完了しているかがリアルタイムに把握できます。

さらに、現場作業者がモバイル端末から不良品の登録や出来高を入力することも可能で、そのデータはすべてクラウド上に蓄積されます。蓄積されたデータは可視化され、ダッシュボード上で生産効率や不良率などを確認できます。

直感的に使いやすい操作性やデザイン、見やすいユーザーインターフェイス、さらにユーザーによる柔軟な設定やカスタマイズもノーコード対応で実現可能となっています。また、利用ユーザーの要望に基づく機能のアップデートを毎月実施するなど、「誰にでも使いやすい」ソリューションを目指しています。

製造現場DXに必要なあらゆるインフラの提供を目指す

「Smart Craft」の強みは、日々のものづくりにおける計画と実績データがすべて蓄積される点にあります。このデータを基点に、さらなるサービス展開を見据えています。

現在は、工程管理・品質管理機能の提供が主なサービスですが、今後はMES(製造実行システム)や製造オペレーション管理(MOM)の主要機能を拡充するなど、製造現場の実行層と本社の計画管理を繋げる製造現場DXに必要な機能モジュールをすべて開発・提供する予定です。

画像: 製造現場DXに必要なあらゆるインフラの提供を目指す

さらに、AIやIoTなどの最先端テクノロジーを統合することで、リアルタイムでのデータ分析や予測、現場での意思決定を支援する高度なプラットフォームを構築します。また、生産設備のセンサーやロボット、無人搬送車(AGV)とのシームレスな連携を可能にし、工場全体の自動化と効率化を推進します。これにより、従来の生産性向上の枠を超えた、持続可能で競争力のあるスマートファクトリーの実現を目指しています。浮部さんは、「今後も製造業の未来を切り拓くために、総合的なインフラとエコシステムの提供に挑戦し続けます」と語ってくれました。

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