クリエイターもコミュニティとの会話が大事な時代になってきています。LITEVIEW株式会社では「フルタイムクリエイター」を増やすことをミッションに、なくてはならないプラットフォームとして、新しいコンテンツ流通インフラを構築しています。代表のLEE KUNWOOさんに、LITEVIEWで目指す世界観や今後の展望などを伺いました。
幅広い業種・用途で柔軟な活用が可能
「自社型配信プラットフォーム」を気軽に作れる「LITEVIEW(ライトビュー)」のサービスは、BtoB向けとBtoC向けに大別できます。BtoBでは、ユーザーコミュニティなどのコンテンツ配信を主体とした用途のほか、社内の動画マニュアルなどの業務支援BPO用途やDXツールとして使われるケースも多いようです。
ユーザーコミュニティとしての用途では、コアユーザーに向けて限定のプラットフォームを提供。そのプラットフォーム内だけで視聴できるコンテンツを提供したり、サブスクサービスやEC、クラウドファンディングなどの手法で収益化することが可能です。さらに、イベント申し込みやチャットサービス、ポイントサービスなども同じプラットフォーム内で提供することができます。
また、業務支援BPO用途では、動画マニュアルや社内研修、最新のケーススタディなどのコンテンツをアーカイブ。グループごとに出し分けができるため、異なる部署や対象者同士の棲み分けも可能です。さらに、不明な点などはチャットやオンライン1on1機能で個別に対応することもできます。
DXとしての活用は、大学や薬局、不動産など幅広い業種で活用されています。大学の場合なら、さまざまなコンテンツや限定情報、各種支援サービスの予約や教室の予約などを行えるほか、チャットで相談を受け付けるなど大学生活に必要な情報を一元化できます。薬局の場合なら、ロイヤルカスタマーや既存顧客向けサービスに必要な機能をまとめ、お知らせやポイント、プッシュ通知の送信のほか、コンテンツ配信やストアなどのサービスの提供も可能です。
プラットフォームで収集したデータは自社CRMシステムと連携し、運営・管理を一元化することもできて、LITEVIEWの強みでもあります。
「例えばテレビ局の場合、個別の視聴データを取れないことがこれまでの弱点でした。プラットフォームでオンデマンド配信したコンテンツなら、どのユーザーがどれぐらいの頻度で見ているかを把握できますが、一からこのシステムを開発すると数千万円の予算が必要になります。そういったデータの収集も手軽に行うことができます」
個人クリエイターの支援にも注力
LITEVIEWのミッションの背景には「もっと世の中が豊かになってほしい」という想いがあります。良質なコンテンツが増えることで、世の中がもっと豊かになっていきます。クリエイターがより多くのコンテンツを生み出せるように、フルタイムで制作・配信できる社会を作るために、サービスの開発・運営をしています。
BtoBと並行して同社が力を入れるのが個人のクリエイター向けのサービス(BtoC)です。一般向けのサービス開始から1年弱で、累計ユーザー数は2万5000人を超えました。今後はクリエイターエコノミーの中でも、小規模の個人クリエイターの支援に注力したいとLEEさんは言います。
「今のクリエイターエコノミーは、クリエイターがどんなに素晴らしいコンテンツを作っても、プラットフォーマーが稼いでしまう構造になっています。例えばTikTokなら約6割がプラットフォーム側の利益になります。また、YouTuberもプラットフォームの規約に従うと本当にやりたいことができないといった制約があると聞きます。もちろん大手プラットフォームならではの利用メリットも大きいのですが、私たちは個人クリエイターを実質的な部分でサポートしていきたいと考えています」
いずれはグローバルを目指したい
現在、韓国と日本を含めて15人から20人のメンバーで運営していて、韓国のチームが開発し、日本のチームは日本でのビジネス展開のためのハブという位置づけです。
「距離が離れていることは、コロナ禍のリモート勤務で慣れたこともあり、あまり問題を感じません。それぞれが自身のゴールに対して自身の主導でプロジェクトを進めています」
サービスのスタートから約1年。投資家からはイノベーションの部分で高い評価を受け、「初期段階のベンチャーとしては成長が早い」と言われています。今後はどのような展開を考えているのでしょうか。
「私自身、10年ほどこの業界にいますが、何かしらのレガシーを残していけたらと考えています。ビジネスの中心はBtoBになると思いますが、やはり、個人のクリエイターを支援していくことにも力を入れていきたいですね。2、3年後には、『ネット上でビジネスをするならLITEVEW』と言われるくらいになっていたいと思っています」
さらに、将来のより大きな展望として、グローバル市場も視野に入れているとLEEさんは話します。「コンテンツの配信・運用を最初から最後までしっかりサポートするサービスを地道に続けながら、いずれは国内上場、そしてグローバル展開を考えたいです。とても大きな目標ではありますが、それを目指して地道に歩んでいきたいと思っています」