VRやAR、MRなどのXR技術を活用したエンターテインメントの企画・開発・施設運営を行うティフォン株式会社は、コロナ禍を機にライセンスアウトにも注力しています。CEOの深澤研さんに、エンターテイメントの進化予測やその中で実現したいことなどを伺いました。

特許技術を使ったVRアトラクションなどを提供

ティフォンはARを使ったスマホアプリの提供からスタートし、その後、施設型のアトラクションの開発を開始。2017年10月に、XRテーマパーク「ティフォニウム」をお台場のダイバーシティ東京プラザにオープンしました。これまでに、ホラーアトラクション「コリドール」をはじめとした6つのVRアトラクションを開発・提供しています。

「コリドール」では、ティフォンの独自技術を開発しました。VRでは通常、自分の姿はCGのアバターで表現されますが、コリドールではアバターを使わずにVRゴーグルに付いているカメラで自分の姿や一緒に体験している人の姿を写し取り、その姿だけをVR空間の中に合成することが可能です。また、同じ空間内を歩き回るだけで様々な展開が出現する仕組みになっています。これら2つの技術については、日米で特許を取得しています。

2021年4月から佐渡金山の坑道内で提供しているMR体験「ISLAND MIRRORGE(アイランド・ミラージュ)」にも特許を申請中の技術があります。アトラクションを開発するときに、既存の技術そのままでは自分たちがやりたいことを実現できないことも多く、その場合には一から技術を開発することで実現しているのです。

コロナ禍を機にライセンスアウトにも注力

体験型の施設という性質上、新型コロナウイルス感染症の影響はどうしても避けることができず、2020年以降は展開していた店舗の一部を撤退したり、お台場の旗艦店についても通常どおり営業ができなかったりという状況がありました。

とはいえ、ティフォンのアトラクションは少人数のグループで体験するものなので、来場したお客さまのグループごとに入室していただくことで、感染リスクを抑えることができます。また、感染対策の徹底と同時に、休業などで生まれた時間的な余裕を使って、体験の質を高めるための改善なども行ってきました。

加えて、このコロナ禍を機に、自社で店舗を拡大していくだけでなく、ライセンスアウトにも力を入れていく方針に転換しました。新潟で催事型のイベント「VR Garden NIIGATA」を2021年夏に初めて開催し、2022年には新潟だけでなく、大阪でも「VR Garden OSAKA」を開催しています。

さらに、海外展開にも力を入れていきたいと考えており、まずは中国のVR施設へのコリドールの導入を進めています。現在3店舗ですが、今年度中に中国国内で12店舗まで増やすことを目指しています。

脳波センサーを使った実証調査にも参加

2022年5月には、内閣府の「スーパーシティ構想の実現に向けた先端的サービスの開発・構築等に関する実証調査業務」に採択された実証調査を、調査パートナー企業などと協業で実施しました。

イヤホン型の脳波計を装着した状態でコリドールを体験してもらい、体験中の脳波データを取得し、その有効性について調査を行っています。脳波データについては、今後はティフォンとしても、体験した人に合わせたコンテンツを提供するための仕組みなどで活用していきたいと考えています。

あらかじめ用意されたいくつかのコンテンツから、脳波の状態によって最適なものが選択されてリアルタイムにコンテンツを変化させることで、よりパーソナライズされた特別な体験を提供することを目指しています。

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