「ailead(エーアイリード)」は、AIを活用して“売れる営業人材”育成を支援する商談解析クラウドです。テクノロジーで営業組織を改善するセールスイネーブルメントが盛り上がりを見せる中、aileadの位置づけやサービスが生まれた背景について、株式会社バベルの代表取締役 杉山大幹さんに伺いました。
「商談はオンラインで」が、営業部門を大きく変える
aileadは、オンライン商談の録画コンテンツを音声認識してテキスト化し、社内での情報共有やシステムへの登録効率化を実現するサービスです。ZoomやMicrosoft Teamsといったオンライン会議ツールを一元管理し、自動で録画します。データはailead専用のクラウドにアップロードして、AIの音声認識により国内最高レベルの精度で文字起こしをします。
動画をテキスト化することで議事録作成の手間を削減できるだけでなく、チームで動画を【情報・ナレッジ】として共有できるのが特徴です。上場企業をはじめ導入企業数も順調に増加し、セールスイネーブルメント領域のプロダクトとして高い評価を得ています。
セールスイネーブルメントとは、組織が成果を上げ続けるためにテクノロジーを駆使して営業組織を強化・改善する取り組みを指します。言い換えると、優秀な営業人材を継続的に育成する仕組みづくりです。国内市場規模はまだそれほど大きくありませんが、ここ数年で急拡大すると予測されています。
いま、セールスイネーブルメントが盛り上がっている背景には大きく2つあります。まず、社会全体で営業人材の労働生産性向上が求められていること。大手コンサルティング企業のマッキンゼーが公表したレポートによると、営業パーソンは、商談以外の資料作成や社内業務に多くの時間を取られ、本来業務である顧客への営業活動にはわずか10%〜25%しか費やせていない状況にあります。
次に、従来型の人材育成の方法には課題があることです。新入社員が営業成果を出せるまでには3〜6カ⽉が必要と⾔われています。この期間を縮減すれば売り上げにつながるので、チームメンバーのマネジメントを成功させたいというニーズは強まっています。しかし、リモートワークが広がったことで、従来型のOJTによる育成が行いにくくなり、また互いに顔を合わせる機会も減るため組織内での営業ノウハウ共有も困難です。
このような課題を解決し、チーム全体を売れる営業に育てる手段として、セールスイネーブルメントが期待されているのです。
セールスイネーブルメントはデータとAIの活用がカギ
杉山さんはAIを活用してノンコア業務の自動化を進め、労働生産性を向上させるAIオートメーションの活用こそが課題解決のカギだと指摘しています。人間とAIとで役割分担することが、業務効率化と営業品質向上の両方を実現するためには必要です。
セールスイネーブルメントを実現する製品については杉山さんがnoteでも紹介していますが、それらに共通しているのは、どれも今まで取得が難しかったデータを取得できている点です。固定電話からIP電話へ、オフラインからオンライン商談へ、メールでの資料添付からURLへの共有へ。オンラインデータの蓄積とAIの活用により、より深い洞察を得られるようになっています。
例えば営業活動が失敗する要因を、蓄積したオンライン商談の分析で探ることができます。失敗した商談を分析して、営業パーソンが話す時間が全体の80%以上を占めていることが明らかになれば、営業資料の読み上げが長時間になっていたため失敗したと仮説が立てられます。
そこで会話時間が長くなるとアラートで知らせる機能を追加すれば改善できる可能性があります。コールセンター向けツールでは、電話がつながった時点で顧客情報が画面に表示され、会話内容をAIが分析して関連するFAQが表示される製品があります。データに基づき示唆・サポートを与えていくのがAIの得意分野で、それを選び取るのが人間の仕事です。
※aileadにご興味を持った方は、こちらのサイトをご覧ください。