TakeMeのインバウンド向け集客サービスは、多くの外国人旅行者の困りごと、飲食店を「探せない・通じない・払えない」の3つを解消するとして利用者を増やしています。運営元のTakeMe株式会社 代表取締役社長の董路さんは、スーパーアプリのような利便性を目指しています。

中国で当たり前だった「便利さ」を日本にも

北京出身の董路(ドン・ルー)さんは20歳で日本に留学し、大学を卒業後、証券会社に就職しました。その後、スタンフォード大学でMBAを取得し、2004年に中国に帰国しました。2006年から8年ほど中国でEコマース関連の事業を行っていましたが、その間にスマホが登場し、世の中は大きく変わりました。スーパーアプリと呼ばれる、あらゆるサービスが統合されたプラットフォームとしてAlipay、WeChatが成長し、買い物もサービス利用も、日常生活全てが不便なくできるようになったからです。

2014年に事業を売却し、日本に拠点を移しましたが、日本のスマホ普及率は約50%で、タクシーを呼ぶ、コンビニでスマホ決済をするなど、中国で当たり前にできたことができない状況に不便さを感じました。また、インバウンド旅行者が急激に増加した時期で、旅行中の友人から「日本でお勧めのレストランを教えてほしい」というメールが増えていました。

なぜ飲食の専門家ではない自分にわざわざ質問するのだろうと不思議に思い調べたところ、日本には外国人向けのレストラン情報や予約サービスを提供するアプリがないことがわかりました。食べログやぐるなびなどのサービスは、外国人に配慮したUIではなく、そもそも外国語対応もしていなかったので、とても外国人は使いこなせません。

旅行客が毎日2~3回外食するとしたら、1週間の滞在でも14~21回飲食店を利用することになります。毎回自分でお店を探すのは面倒な作業で、旅行者共通の悩みになっていました。数千万人の観光客が困っている状況に対して誰も何もビジネスを行っていないのであれば、自分がやるしかない。これは大きなビジネスチャンスだと思い、起業を決意し2016年に「日本美食」というアプリをリリースしました。

人の悩み度合いが大きいほどチャンスも大きい。

「日本美食」は「外国人版ぐるなび」のようなもので、外国人が使いやすい操作性で、場所とジャンルから飲食店情報を検索でき、オンライン予約もできます。日本の飲食店は電話予約が一般的ですが、日本語が話せない外国人にはオンライン予約のニーズが高いと判断しました。

またヒアリングするうちに日本の飲食店側の悩みもわかりました。集客が難しいことと「No Show(予約したのにキャンセル連絡なく来店しない客)」への対策です。日本の飲食店は電話一本で予約できる反面、事前決済しないので無断キャンセルされると店舗側にはかなりの損失になります。特に外国人は時間厳守しないという文化的な違いのほか、予定がずれて時間が遅れたり、道に迷ったりして1時間遅刻することも珍しくありません。これらはNo Showになるため店舗側にとっては大きな問題です。

その他にも日本語が通じないというコミュニケーションの問題、そして海外はクレジットカード決済、中国ではスマホ決済が普及しているので現金を持ち歩く習慣がなく、現金決済は敬遠されるという問題も明らかになりました。

そこでオンライン予約時の事前決済にすることでキャンセルリスクを減らしたほか、アプリ上でメニューを多言語翻訳して外国語対応のメニューがなくても来店客が困らないようにしました。また、QRコードで支払える仕組みを開発しスマホ決済対応を行いました。

人の悩み度合いが大きいほど大きなチャンスになります。「日本美食」で外国人観光客と日本の飲食店の間をつなぐことで両者の課題を解決し、さらに中国で利用していたスーパーアプリのような利便性を日本でも提供することで他にはない価値を提供したいと考えています。

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