デジタルトランスフォーメーションの重要性が高まる一方で、大都市圏と比べて地方の中小企業では取り組みが進んでいません。地元熊本を中心にITクラウドツールの導入支援を行っている株式会社キャップドゥは、全国・世界へとビジネス範囲を広げています。代表取締役の森田晃輝さんに創業経緯や現在のビジネスについて伺いました。

中小企業はデジタル変革に取り組む前の「地ならし」が必要

キャップドゥは、全国の中小企業向けに業務改善コンサルティングやクラウドアプリケーションのライセンス販売を行うスタートアップです。創業以来300社以上を支援しており、現在はクライアントの約7割が関東・関西の都市圏、一部の上場企業以外は全て中小企業です。

熊本生まれ熊本育ちの森田さんは、顧客管理ソリューションを提供するセールスフォースのパートナー企業で導入コンサルタントをしていました。しかし、九州地域の顧客は中小企業が多く、海外製で運用が複雑なセールスフォースとはコスト面や運用面でのミスマッチを感じていました。また地元の経営者と話をする中で、「いま中小企業に必要なのは、高機能な顧客管理ツールよりも、それを導入する前のサポートだ」と感じました。土地をならさないまま素晴らしい家を建てても結局は安定しないのと同じように、自社業務を改善しないままツールだけを導入してもうまくはいきません。そこで地方の中小企業を支援したいという思いでキャップドゥを2016年3月に創業しました。

ところがその翌月に熊本地震が発生、地元企業は甚大な被害に遭い半年間何も業務ができない状態が続きました。地元地域に頼った営業形態ではなく全国のクライアントを獲得する仕組みづくりの必要性を実感しましたが、当時は資金もなく全国に拠点もない。もちろん全国に営業担当を採用することもできません。そこで試行錯誤した結果がクラウドアプリケーションの活用にたどり着きました。

マーケティングオートメーションツールのSATORIで全国の見込み顧客データを蓄積して成約に至ったのち、クラウド上で契約締結。顧客情報を業務アプリクラウドのkintoneで管理、打ち合わせはChatworkやSlackなどのビジネスチャットにWeb会議サービスのZOOM、ファイル共有はクラウドストレージのDropboxを活用と、一連の流れは全てオンラインで完結しています。クラウドアプリケーションを活用して熊本にいながら全国のお客様とビジネスを行える仕組みを整えました。

自分たちの経験を踏まえ、利用しているアプリケーションを顧客に紹介したところ使い勝手が良いと好評でした。そのような経緯があり、業務改善のコンサルティングだけでなく、さまざまなクラウドアプリケーションの紹介、販売事業も手掛けるようになりました。

デジタルトランスフォーメーションへ至る課題は共通

最近ではベンチャーキャピタルと一緒に出資先企業の地方展開もサポートしています。首都圏のスタートアップは自社の知名度が低い地方展開が一番の課題となります。キャップドゥがコンサルティング業務で培った全国の中小企業ネットワークを活かすこともでき、また画期的なサービスを中小企業に紹介できる利点もあります。

これだけ便利な仕組みが各社から提供されている時代、クラウドのITツールを使わないという選択肢はありません。しかし、使いこなすためにはツールに合わせて業務の仕組みを整える、つまり業務改善の必要があります。

販売業であれば在庫管理、顧客とのやりとりが多ければ対応履歴の記録など、業種・業態によって必要になるツールは異なりますが、ベースとなる業務フローの整備はどの業種でもそれほど差はありません。まずは情報共有、次にコミュニケーション、ワークフローなど、改善ポイントは共通しています。クラウドツールを導入して効果が出るように業務の仕組みを整えた上で、適切な業務フローを構築し、顧客と共に歩むことが、キャプドゥに求められていることです。

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