シード投資家THE SEED(ザシード)は、次代を担う若い才能を発掘し、大きな挑戦の後押しをするファンドです。26歳でファンドを立ち上げた廣澤太紀さんは、誰よりも泥臭く現場にいる投資家として、起業家に寄り添う伴走者を目指します。
事例の共有とファイナンスの機能を提供したい
THESEEDCAPITAL(THE SEED)が存在する意義はどこにあるのか、廣澤さんは真摯に考えます。新卒でベンチャーキャピタルに入り、3年半を経て独立して、数億円規模のお金を預かる立場となったことにどんな意味があるのか。若くて本来なら評価されづらい人に、自分自身も若くて近い存在だからこそ評価して投資することができます。より大きな方向性を目指すきっかけづくりになること、若い人にどれだけ出資し続けていられるかということ自体がファンドとしての意義だと思っています。
自分自身が20代の間に、若い人たちの隠れた才能に投資することを徹底したい。その上で投資先の起業家にどんな価値を提供するのか。上場企業の社長が直接マンツーマンで話をしてくれるような事業フィードバックには勝てない。ただ年間数百人の起業家や起業家予備軍と会って、失敗談など、共通項もあり、そういう話を共有することはできます。また、スタートアップが資金調達する場合、どういうタイミングでどういう選択肢があるのか、誰から集めるのかという支援が必要です。つまり、事例の共有とファイナンスの機能の2つがメインの価値になります。
また、これから成功していく人と一緒に走って、自身が視座を上がっていくと、彼らの視座も上がっていくような関係性自体が価値になります。これから成功してやるぞという思いを共感できる相手、彼らの成功が純粋に自分自身の成功にもなるので、方向性が一緒で、一番のステークホルダーなのかなと思っています。
関西エリアでも若い才能が活躍する入り口となりたい
廣澤さんは関西の学生向けのスタートアップコミュニティー「スタートアップ関西」を運営しています。関西エリアは東京に次ぐ学生人口がありますが、関西で若い人の活躍が少ないのは、東京に比べて機会の総量、資金の流入量が圧倒的に少ないからです。今後も、関西の学生と起業家、VCをつなぐ接点を積極的に作っていきたい。大阪や京都でMeetupの開催や創業投資をする中で手応えもあったので、京都大学の近くにインキュベーションスペースも開設しました。エリアを問わず優秀な人はいるので、資金が流れていない関西エリアにはしっかり投資していきたいと考えています。
THE SEEDは、「若い才能が活躍する入り口となる」をテーマに、これからの日本を担う才能を発掘し、大きな挑戦の後押しをするファンドでありたい。もちろん、既に投資しているところに対しては、彼らがさらに大きくなるのに何ができるかを考えながら、やれることをひたすら手を動かしながら貢献していければいいと思っています。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う「緊急事態宣言」が出されている状況で、初のオンラインイベントの集客をしたところ、数時間で100名くらいのエントリーになり、参加者は東北、関東、関西、九州と全国各地から集まっています。せっかくなので希望者はランダムに10分、20分だけでも少人数チャンネルを作って交流できるような良い方法ないかなと考えています。今は全国を回ることはできませんが、関西エリアは月1回、大阪と京都に滞在していたので、それを並行して続けつつ、スタートアップ的な機会があまりないエリアにはオンラインでもどんどん入っていきたいと考えています。