クラウド労務管理サービス「Gozal(ゴザル)」は、雇用から、勤怠、給与、退職までのすべての労務管理をワンストップで提供します。Gozalの開発・運営を行っている株式会社BEC代表取締役の髙谷元悠さんに、創業のきっかけとサービスの特徴を伺いました。
経営者になる夢を持って、公認会計士の資格を取得
「小さいころからいつか会社経営をしてみたい」と思っていた髙谷さんは、小学生のときに、「○○企業の売上高何兆円」というニュースを見て、その規模の大きさに驚き、企業に興味を持ちました。その後、企業には経営者がいて、いろいろな人を巻き込んで価値を生み出していると知って、経営者になりたいという憧れが強まります。そんな時に、中学校でOBが自分の職業を紹介するイベントがありました。その中に公認会計士がいて、「会計士は企業のお医者さん。経営不振の企業をコンサルティングして、再生させるのが仕事」という話をしてくれました。
じゃあ企業のお医者さんの力を持った経営者になれば一番いいのではと思って、大学3年生の時に公認会計士の論文式試験に合格しますが、すぐに会社をやってみろと言われてもできるはずもない。大学時代の2年間をほとんど勉強に費やしてきたので、税務・会計の知識はあっても、実務能力がほとんどないことに気づきました。
そこで、ベンチャー企業でインターンとして実務経験を積むことを決め、複数の企業で営業やエンジニアなどの仕事をしました。ベンチャー企業では、いろいろな機能がないと会社は成り立たないことを実感しました。
監査法人を経て、クラウド労務管理サービスで起業
大学卒業後はベンチャー企業への就職や起業を考えていましたが、会計士の先輩から、一度は監査法人に就職して上場企業の中を見たほうがいいとアドバイスされ、新卒であずさ監査法人に入社しました。そこでIPOの支援をする部署に配属されて、上場を目指す企業のコンサルをしたり、上場企業の監査業務をしたりしながら、いずれ起業したいと思っていました。
そんな中、サイバーエージェントが主催する「アントレプレナーイノベーションキャンプ」という3カ月でビジネスプランを作るイベントに参加しました。そこで優勝したプランが現在のGozalの原案となるものです。自己資金に創業融資制度も受けて、2014年に創業、同年8月にクラウド労務管理サービスGozalを開始しました。
働き方は管理しやすいように画一的に設計されることが多く、社員それぞれの事情や状況に合わせて個別に設計・運用することは難しいとされてきました。その点、Gozaはとてもシンプルで、雇用から、勤怠、給与、退職までのすべての労務管理をワンストップで提供しています。また、多彩な勤怠集計項目が用意されているので、個々の会社の勤怠ルールに適応した勤怠管理が行えます。
GozalはB2B向けのサービスで、主要ユーザーは100名~200名規模の企業ですが、10名~数十名規模でも使われています。労務管理のシステムは、勤怠だけ、給与だけと分離しているサービスが多く、そのデータの受け渡しが手間になりますが、一つのサービスに集約されているのでその手間が極限まで減っているのが最大の特徴です。
「人の働き方と人の持ち味を繋げる」をミッションに、一人ひとりに合った働き方を自然に実現することを目指しています。Gozalはカスタマイズできることが他のシステムにないメリットで、社員一人ひとりにフォーカスした勤怠管理システムを構築できます。