ネット完結型の薬局など、テクノロジー×日常医療のサービスを展開する株式会社ミナカラ。代表取締役社長・薬剤師の喜納信也さんは、薬局・医療業界にもビジネスパーソンとしての成長機会がある世の中にしたいという思いを持ち、医薬品購入・服薬のプロセスを変えようとしています。ミナカラが目指す医療サービスのかたちについて話を伺いました。

薬剤師でありエンジニアでもあるという強み

大学の薬学部を卒業後、IT企業へ入社した喜納さんは、開発・コンサル・営業、新規業務部門立ち上げなどに従事しつつ、調剤薬局でも薬剤師として勤務していました。

ミナカラを創業したのは2013年です。医療業界とITを組み合わせてビジネスをしたいという気持ちに加えて、自身の経験から薬局を始めとした医療業界でもビジネスパーソンとしての成長機会がある世の中にしたいという思いがありました。企業理念のひとつに「ヘルスケアをもっと身近で感動的に」というミッションを掲げ、患者に今までとは違う新しい医療体験を提供することを考えたときに、医療・薬局の仕組み自体を変える必要があると思い、現在の事業を構想しました。

またもう一つの企業理念であり社内向けのミッションとして「次代を担う人材の成長機会でありつづける」というものを掲げています。薬局や医療の世界にエンジニア等を呼び込み、薬剤師等が彼らと切磋琢磨しながら成長を目指して挑戦できるようにしたいという気持ちがあり、ミナカラで経験を積んだ人材が新しいチャレンジに踏み出せるような環境を提供したいと思っています。

これまでは、病院で処方箋をもらい、別の場所にある薬局に行って薬を購入する必要があります。しかも病院と薬局がみつに連携しきれていないケースも多く、患者の体験として処方箋を薬局に渡した上で、病院で聞かれたことと同じことを再度薬局でも説明しなくてはいけない、という構造になっています。これでは患者自身が薬剤師に自分の状況を能動的に相談する気持ちになりにくいケースも多いと思います。

オンライン等の活用により、このプロセスががらりと良くなる可能性があります。診断から処方、薬の入手までがワンストップで提供できるだけでなく、自宅や生活の中で服薬中に不安な点や困った点を薬剤師に相談することも、再度医療機関に行く前に本当に行く必要があるかを質問することもできるのです。日常生活の中でオンラインで気軽に薬剤師等に質問できる環境を整えることで、患者と薬剤師との関係性を変えていきたい思います。

新しい産業を作るくらいの挑戦をしていきたい

医療分野はマーケットが大きく、病院で医師からもらう処方箋が年間約8億枚、市販薬でも年間数億個以上が販売されています。市販薬のインターネット販売が始まったのは2014年のことです。それにより市販薬の医薬品販売は大きく変わりましたが、約5年が経った現在でもインターネットで医薬品を購入している率はわずか3%程度ほどだと言われています。

利用率が低い理由の一つは、現在の配送事情で、ネットで購入後早くても翌日に到着するのですぐに手に入れられないことです。もう一つは医薬品を使う利用者の医療知識やマーケティングの問題です。薬を購入するときに自分に合った薬を選ぶことができずにテレビCMなどを通じて名前を知っている薬、「かぜには〇〇」といった知名度が高い薬を選びがちなことです。医療従事者と患者とのあいだで情報の非対称性がある領域だからこそ、これらの課題を解決し、「ネットで診断して薬を購入」という流れを当たり前にしたいと考えています。

日常医療サービスの究極形は、患者自身が自分で病状と対処法を判断できて、治療に必要な環境や医薬品がすぐに手に入り、治療している最中に不便がない世界だと考えています。これはある意味、患者が医療において自立し患者が主導するセルフケアということでもあります。この世界が実現すると、治療が必要になる前に予防し、重症化する前に慢性疾患の治療を受けるなど医療費負担軽減にもなるため、政府もセルフケアを推進しています。
ミナカラは事業を通じて、患者一人ひとりに正しいセルフケアを届けることを目指しています。更に将来的には薬剤師だけではなく、医師とも連携したサービス展開も視野に入れています。

This article is a sponsored article by
''.