AIが人間の仕事をサポートすることで効率的に時間を使えるようになり、さらに趣味や家族の時間が生み出されることで人々が豊かな生活を送れるようになる。そんな世界の実現を目指すAIスタートアップのシナモン 代表取締役の平野未来さんに、ビジネスAIが実現する世界や今後の展望を伺いました。

ベトナムを開発拠点として優秀なエンジニアを確保

シナモンの主力製品は、紙の帳票からデータを抽出するAI-OCRエンジン「Flax Scanner」、音声を認識してテキスト化する「Rossa Voice」、自然言語を用いてデジタルデータの要点を抽出する「Aurora Clipper」の3つです。いずれも非構造化データを構造化データに変換することで業務の自動化・効率化を実現するサービスです。

シナモンの開発拠点はベトナムと台湾にあり、エンジニアの9割がベトナム人です。Spicy Cinnamon時代にユーザーリサーチ目的でベトナムを訪問した時に現地プログラマーの優秀さに驚き、ベトナムに開発拠点を作ったのが始まりです。AIリサーチャーはおよそ100名が在籍しています。日本国内では開発人材よりも営業系などの分野で経験がある人材を多く採用しているのが特徴です。

海外展開、中小企業向けも視野に入れ、多くの人に利用されるサービスを目指す

AIの分野ではアメリカや中国のほうが圧倒的に進んでいますが、ビジネスAIという限られた領域では、日本のほうが先行しています。アメリカではまだPoC(概念実証)の段階ですが、日本は既に本番導入の段階に入っているので1年半余り進んでいます。

日本でビジネスAIサービスを提供している企業から見ると非常に優位性があるということです。しかも海外市場は大きく、アメリカが日本の3倍、中国が4倍の規模と言われています。将来的には海外で事業を展開し、グローバルに市場を拡げていきたいと考えています。

国内の展望としては、大企業が使うだけでなく、中小企業にも利用してもらえるようなサービスを提供していきたいと考えています。費用対効果が出るほど精度が高いAIを開発するにはコストがかかるため、どうしても今は大企業が中心になりますが、人手不足や非効率な働き方といった点では中小企業のほうが需要は大きくなります。将来的には中小企業にとっても導入しやすいような、安価でカスタマイズ不要なサービスの開発を目指しています。

AIができないことは、マネジメント、ホスピタリティ、クリエイティビティの3つと言われています。言い方を変えると、この3つ以外は基本的にAIが対応することができるのです。

現在の日本では、毎日10時間近くも仕事をする人が少なくありません。毎日忙しく、休日も疲労がたまって家族とゆっくりした時間が過ごせない状況は、幸せであるとは言えません。AIが人の仕事をサポートすることで効率化でき、1日10時間労働であったものが将来的には4時間労働でも済むようになると思っています。働く時間が短くなれば時間的にも精神的にも余裕ができるので、趣味に時間を使ったり家族と過ごすことができるようになります。私たちはAIサービスの提供を通じて、単に仕事を効率化するだけではなく、最終的にはそれを通じて人々がよりクリエイティブに働けるような世界を実現することを目指しています。

画像: Rossa Voice 紹介ビデオ www.youtube.com

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