株式会社ジェネシア・ベンチャーズは、2016年8月に設立された独立系のベンチャーキャピタルです。設立3周年となる2019年夏にCI(コーポレートアイデンティティ)を全面的にリデザインし、次のステージに乗り出します。代表取締役の田島聡一さんにお話を伺いました。

持続可能な産業構造をいかにして創るか

社名のGenesiaは、起源や創生という意味を持つGenesisにAsiaを掛け合わせた造語で、「アジアの創生を担うベンチャーキャピタル」でありたいという私たちの思いを表現しています。「シード・アーリーステージ」「デジタルビジネス」「アジア」の3点に投資コンセプトをフォーカスし、アジアに持続可能な産業が生まれるプラットフォームとなることを目指しています。

投資対象領域としては、「リアルテック」「ニューエコノミー/メディア・エンターテイメント」「フロンティアテック」の3つを掲げていますが、その中でも特に、リアルテック領域(既存産業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するスタートアップ)への投資が全体の半分以上を占めています。

現在、あらゆる産業のデジタルトランスフォームを推進するスタートアップが、日本においては既存産業のあり方を再定義する形で、東南アジアにおいてはデジタルベースで産業インフラを新たに構築する形で続々と立ち上がり、その存在感を急激に増してきています。「私たちは、この不可逆なトレンドである産業のデジタルトランスフォームが意味するものは、単なる効率化には留まらず、持続可能な産業構造の実現に向かうことだと考えており、そのためには、少なくとも以下2つの要素を満たすことが必要だと考えています」。

・各産業におけるステークホルダー毎の提供価値と、受け取る利益のバランスが適正となるビジネス構造を実現すること(サプライチェーンにおいて介在価値を提供していない中間プレイヤーの見直しや、一部のステークホルダーが過度に儲けていたり、搾取されていたりする状態を最適化するビジネス構造にトランスフォームすること)

・プロダクト・サービス・システムを、単なる機能提供に留まらせるのではなく、体験や経験といったコトとの共存を視野に入れた形で、包括的にデザインすること。そして、あらゆる商流におけるデータをリアルタイムに取得し、その蓄積したデジタルデータによって、ビジネスプロセスを最適化する方向にPDCAを廻せる体制を持っておくこと

「これらの考え方に基づき、私たちは、SaaSや直接取引プラットフォーム(中間プレイヤーを介在させずに取引者同士が直接繋がるプラットフォーム)を中心としたリアルテック領域でチャレンジする日本と東南アジアのスタートアップへ積極的に投資しています」と田島さんは語ります。

さらに、「日本において、デジタルトランスフォーメーションが大企業主導で進まない背景には、アナログに最適化された産業構造が既に出来上がっており、デジタルシフトの際に発生するサンクコストが極めて高いこと、キーマン(決裁者)のデジタル化に対する感度やITリテラシーがあまり高くないこと、および(オーナー経営者でない場合は特に)自分の任期の中で既存ビジネスへ大きなダメージを与えかねないデジタルシフトに思いきって踏み切れないことが大きい」と、日本の産業構造の問題点も指摘します。

「開かれたVC」として本気の起業家の支援者・伴走者になる

CIのリデザインに取り組む中で、「WE BUILD THE PLATFORM FOR THE NEXT HUGE AND SUSTAINABLE INDUSTRIESIN ASIA」という創業時からビジョンに掲げていたメッセージが、実はミッション(手段)だったことに気づきました。そして、メンバーが実現したい未来像にあらためて向き合い、ミッションの先のビジョン(世界観)に辿り着きました。

メンバーの“Will”を言語化したメッセージとして、「すべての人に豊かさと機会をもたらす社会を実現する」というビジョンに新たに落とし込み、「アジアで持続可能な産業がうまれるプラットフォームをつくる」というミッションを改めて明確にしました。

「ベンチャーキャピタルという役割を通じて、ビジョンの実現に向かっていくために、起業家と投資家のつながりだけではなく、大企業や行政、NGO・NPOなど、産業創出を担うあらゆるステークホルダーとオープンかつ密接に連携していきたい」と田島さんは語ります。

画像: 「開かれたVC」として本気の起業家の支援者・伴走者になる

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