メーカーが直接自社サイトで商品を販売するD2Cが成長するなどリテール(小売)業界は大きく変化しています。その中で商品と店舗のマッチングサービスを展開する株式会社スペースエンジン 代表取締役社長の野口寛士さんに伺いました。

ハードルが高いリアル店舗出店を手軽なものに

今は、インターネット上で商品を販売することは、それほど難しくなくなりました。フリマアプリやハンドメイド販売サイト、他にもショッピングアプリやクラウドファンディングなど多様なプラットフォームがあります。

しかし、そこでブランドにファンがついて次のステップとしてリアル店舗を展開しようと思ったときには、いきなり大手不動産会社と賃貸契約をして保証金を支払うといった手続きが必要になり、途端にハードルが高くなります。一時的に空きスペースを借りることができるサービスなどもありますが、そこに期間限定のポップアップストアを開設しようとすると、什器や販売スタッフなどのコストは決して安くはありません。

SpaceEngineでは、オンラインと同じような手軽さで誰でもリアル店舗で商品を販売できるサービスを目指しました。「ご登録いただいているサプライヤーは、ハンドメイドでモノづくりをするクリエイターの方や、これまでOEMや卸をやっていて自社ブランドを立ち上げた地方の製造業、そして大企業のオンラインブランドなどで、主に新しい販売チャネルの開拓、既存の販売チャネルとは異なるチャネルでの販売を期待してご利用されています」。

サプライヤーのユーザーに共通していることは、ほとんどのユーザーがオンライン販売をメインにしており、ユーザーとの接点、販路拡大のためにオフラインを利用したいという意図を持っている点です。もちろん卸的な使い方もありますが、各地域で短期間に商品を販売するといったテストマーケティング的な利用をされる方もいらっしゃいます。

そのようなマーケティングをサポートするためにも、将来的には取得したデータを企業に提供して役立ててもらうことも視野に入れています。過去には店舗の商品棚にカメラを設置、商品ごとに「いいね!」「悪いね!」を押せるボタンを用意したほか、来店客へのアンケートや音声で記録を取るなど、どのようなデータをサプライヤーに提供すると効果が高いのかを実験しました。ここで得た知見は今後アプリに実装する予定です。

テクノロジーでリテールの潮流を変える

現在リテールの分野では、大きな変化が起きているという実感があります。商品をいきなり市場に投入・販売するより、オンラインで仮説検証しながらファンを増やし販売を実施、拡大のためにオフラインも利用するといった流れです。

また大型店舗やチェーン店舗などでもピックアップ対応や、レジレス店舗、メディア化など様々な施策が日々試行錯誤されており、消費者の購買行動が大きく変わる瞬間が近いうちに訪れるのではと思っています。

SpaceEngineもそのような今後の大きな変化の一翼を担えるようなサービスを目指しています。現在のマッチング機能は、私たちが目指している全体像の一部分です。今後は海外展開も視野に入れています。SpaceEngineのアプリさえスマホに入っていれば、商品を販売したいサプライヤーは、1週間後にはパリやアメリカ、東京、どこでも商品を販売できる新しい世界を提供したいと考えています。

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