7月23日開催の「第1回官民交流 Digital Transformation Meetup」は、スタートアップと政策企画担当者の交流の機会となった。スタートアップ6社のピッチでは、起業のきっかけとなった問題意識と、今後の取り組みなどが熱く語られた。

実業が主役、地域が主役のキャッシュレスでSociety5.0のインフラづくり~株式会社Origami取締役社長室 ディレクター桑原智隆さん

Origamiは、インターネットの基盤に未来の金融サービスを創ることを進めています。現在は、キャッシュレス社会の実現を目指し、スマホ決済Origami Payの普及を拡大しています。決済を入り口として、Society5.0実現、実社会のデータ利活用のインフラづくりを進めます。まず実業が主役のデータ利活用を推進しています。パートナー企業が自社アプリにOrigami の決済機能を採用する動きが拡大しています。実業企業にとっては、自社の顧客基盤を維持・拡大しながら、インターネットの基盤の上で決済が行われることで、自社のデジタルトランスフォーメーションに必要なデータを蓄積・利活用できるようになります。

次に「地域活性型キャッシュレス」がOrigamiの特徴です。単なる支払い手段を超えて、中小・小規模事業者の生産性向上につなげます。人手不足や低生産性など、日本経済の課題に先に直面しているのは地域です。地域の金融機関、行政、商工会議所等と提携し、経営改善のツールとして地域の小売・サービス業などに導入が広がっています。地域活性化と生産性向上に、当事者意識と責任感を有する地域の強力なパートナーと共に、地域の事業者への導入が拡大しています。

また今後、「サムライペイ海を渡る」として、海外でも使い慣れた支払い手段で地域の金融機関の口座が動く。そういう世界をOrigamiは創っていきたい。地域の金融機関自身も本気でデジタルトランスフォーメーションに取り組み始めています。地域や事業者様と共に、データを利活用した地域活性化や生産性向上を進めていきたいと考えています。

データの利活用がこれからの大きな課題で、日本でデータ人材やIT人材が不足する中、優れたエンジニアをOrigamiとしてしっかり確保し、実業が主役、地域が主役のデジタルトランスフォーメーションを支える存在として邁進していきます。

日本語教育事業と外国人材向け生活支援サービスを強化~株式会社one visa 代表取締役CEO 岡村アルベルトさん

ペルーに生まれ、幼少期に来日した岡村さんは、外国籍で異国に暮らす困難を解決したいとの思いから起業しました。「世界から国境をなくす」をビジョンに事業を展開しています。

物理的な国境をなくすために、2017年6月に外国籍社員のビザ取得・管理が簡単にできるWebサービス「one visa」をリリースしました。煩雑なビザ申請がone visaを利用すれば書類が自動生成され、提携行政書士を通せば5万円/1件で代理申請も行えます。現在、500社を超える企業で活用されています。

次に、精神的な国境をなくすために日本語教育の無料提供から、仕事紹介、ビザ取得・管理、定住支援までを一気通貫でサポートするサービスに拡大しました。またカンボジアに設立した「one visa Education Center」では、企業に紹介できるよう特定技能の取得要件である日本語能力試験N4習得を目指しています。

定住支援を行う「one visa connect」では第1弾として、セブン銀行との提携により、Education Center卒業生に対して、来日直後に口座開設をするサービスを提供します。one visaを通じてビザを取ることで、役所への届け出や銀行口座開設、クレジットカード発行などをスムーズにし、「信用不足」を理由に生じる不便さを解消していきます。

「できる」をふやす人材育成を動画で実現~ClipLine株式会社 代表取締役社長 高橋勇人さん

ClipLineは、AI化に対する対抗軸として、「できる」をふやす人材育成をミッションとしています。ClipLineの動画サービスは、大手チェーンを中心に国内約8000店舗、15万人以上に利用されています(2019年6月末時点)。

店舗の中の全作業をクリップ(動画)として記述し、スタッフの役割に応じて複数のクリップを組み合わせたカリキュラムを組みます。スタッフは練習を撮影してお手本と比較し、本部やトレーナーはコメントやレビューで指導することができます。

本部やトレーナーはスキマ時間で店舗をコントロールでき、スタッフは「いいね」やコメントでつながることで離職率を下げることができます。また、新人育成時間の削減やオペレーションレベルの向上によって、顧客満足度やリピート率が上がり、売り上げアップにつながります。

ClipLineのシェアは、サービス業全体から見ると0.5%程度なので、まだまだ伸び代があります。ただし、チェーン店以外の中小の生産性を上げるのは一企業では難しいので、官民連携が必要になります。また言語に依存しない教育ツールとして、外国人教育への活用にも効果的です。

リファラル採用を活性化させるクラウドサービスを提供~株式会社リフカム 代表取締役CEO清水巧さん

「採用を仲間集めに」をミッションとし、リファラル採用によって、ミスマッチや労働環境の改善などの解決に取り組んでいます。労働人口の減少、求人数の増加、新卒一括採用の見直し、外国人労働者の採用など、採用方法の変革が進んでいます。そんな中リフカムでは、人材採用における課題解決のために、従業員が友人を会社に紹介するリファラル採用を進めています。

縁故採用というとネガティブなイメージでしたが、海外では社内制度として導入して、LinkedInを使って従業員にオフィシャルに推奨しています。会社側から見ると、従業員の紹介なのでいい人材を採用でき、離職率が低いというメリットがあります。一方、就職する側にとっても、ミスマッチのリスクがなく、透明性をもって採用できます。

リファラル採用を支援するクラウドサービス「Refcome」では、募集要項を周知するための作業が簡単にでき、従業員が友だちにスカウトを簡単に送れます。また従業員がどれだけ自社を紹介したい状況にあるのかを可視化するサービス「Refcome Engage」の2軸で展開しています。

リファラル採用は求人媒体と比較して、定着率が非常に高いこともわかっています。少数を採用して、きちんと辞めないような採用手法を実現することで、採用コストを下げることができます。

多様性と包容力溢れる社会を実現したい~株式会社Linc Founder & CEO仲思遥さん

Lincは「日本に来て良かったを最大化させる」をミッションに、外国人財にとって多様性と包容力溢れる社会の実現をビジョンとしています。

まずは、来日留学生の中で一番比率の高い中華圏向けに、2018年1月に日本初のオンラインに特化した進学情報・Eラーニング一体型サービス「LincStudy」をリリースしました。日本は留学先として人気が高いにもかかわらず、留学に至るプロセスが煩雑で、費用がかかります。「LincStudy」で学ぶことで10分の1の費用で、直接日本の大学に進学できるサービスを展開しています。

時間的コストと金銭的コストだけでなく、外国人財と大学の情報格差による機会損失を改善するものです。また優秀なトップ層に対して、企業へのマッチングを展開する「LincIntern」のサービスも展開しています。

多様性と包容力溢れる社会の実現に向けて、まず「学ぶ」から支援して、次に「働く」を支援して、最終的に「生活」を支援するようになりたい。そして、最終的に長期的に滞在する上で欠かせない必要なサービスがすべて揃う生態系を作っていきたいと考えています。

給与の即日支給で貧困と格差を減らしたい~ドレミング株式会社サービス企画推進 岡本俊一さん

福岡発のフィンテック、ドレミングは、銀行口座を持てない 20 億人に金融サービスを提供することで、貧困を減らして、犯罪も減らす社会貢献事業を、日本、イギリス、アメリカ、シンガポール、インド、サウジアラビアの6カ国に拠点を設けて、世界で展開しています。

事業モデルの根幹はHR(ヒューマンリソース)システムで、人事・勤怠・給与管理システムをクラウド上で無料提供し、企業の収益向上と働く人の収入を増やすための機能を充実させています。毎日の給与をデジタルマネーで即日支給するシステムなので、給料日まで待てずに借金し、かえって生活が苦しくなるという悪循環を断ち切れます。会社側にとってもこのシステムがあることが、労働者を呼び込み会社に定着させる大きな強みとなります。金融機関とはモバイルバンキング戦略促進と、労働記録を活用した新商品開発・提供で協業関係となり、金融機関とのレベニューシェアがマネタイズに関する事業モデルの根幹となります。

各国の政府にとっては、給与支払いの電子化で所得税が自動徴収され、増えた税収が公共投資に回って雇用が生まれます。また、現金を狙った犯罪も減らせます。加えて消費が促進され、経済が活性化します。

また、厚生労働省はデジタルマネーでの給与支払いを可能とするため、規制を緩和する方針を固め、現在政府で制度設計が進められています。キャッシュレス推進や現金流通コストの削減、外国人労働者の利便性向上などが期待されています

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