オンライン上のコミュニケーションは、一方向・一種類ではなく幅広い内容が求められるようになっています。店舗でのおもてなし体験をオンライン上で実現することを目指すWeb接客ツール「Sprocket」を開発・提供する株式会社Sprocket 深田浩嗣さんが考える「新しいコミュニケーションのカタチ」とは何かを伺いました。

テクノロジーを駆使した「おもてなし」の本当の意味とは

デジタル的なコミュニケーション施策というとクーポンのような割引的な要素が強い印象がありますが、Web接客ツールのようなアプローチをすることで、企業とユーザー間のコミュニケーションの幅を、今よりももっと広げることが可能です。

テクノロジーを駆使した結果の施策がクーポンを送るだけというのは、もったいないと思います。そもそもリアル店舗で買い物をしているときに、店舗のスタッフから割引を勧められることはまずありません。それなのにデジタルでは普通にそれをやってしまうという不思議さがあります。このようなデジタルインセンティブは短期的な効果が見込める一方で、ユーザー側がクーポンを待つようになってしまうというマイナス面があります。

オンライン上でユーザーが本当に求めているのは、クーポンではなくもっと別のコミュニケーションではないかと考えています。期待した以上の対応をして相手に満足してもらう日本古来の「おもてなし」の発想をSprocketに取り入れ、企業とユーザーとのコミュニケーションを変えていくことを目指しています。

チャネル×データ×コミュニケーションの3次元でユーザーを理解する

企業とユーザー間のコミュニケーションには3つの次元があります。一つがチャネルで、Webサイト内のポップアップでメッセージを表示するほか、メール、LINE、そしてオフラインではマス広告など多様な表現手法があります。

もう一つはデータです。チャネルの広がりに対して、どれだけ良いタイミングで適切なターゲットに対してアプローチできるかという分析は、データがあるからこそ可能になります。Webの行動履歴や登録情報などの情報を踏まえてより深くユーザーの状況やインサイトを理解して気の利いたコミュニケーションをするためには、データが不可欠です。

世の中の大半のツールは、チャネルを増やすかデータを増やすかという2軸に注力していますが、その2軸のほかにもう一つ、コミュニケーションという次元があると考えています。つまり、何を相手に伝えるかということです。

例えばECサイトを訪問しているユーザーが商品を探すのに迷っているようなら、「どういうものをお探しですか?」というメッセージを表示してサポートしたり、選択肢が多すぎて選べないでいるユーザーに対しては、選択肢を絞って商品を提案したりします。また商品をカートに入れた後、なかなか決済画面まで進まないユーザーに対して、「購入前にこういうことにお困りではないですか?」と不安を解消するようなアプローチをすると、購入率が2~3割向上します。

情報収集をしている人にもいろいろな提案ができます。比較段階まで進み検討が具体化している人にはチュートリアルのようにサービスの案内をして、クロージングに近づいている人には不安を解消するような情報を提供するといったように、その人ごとに組み立てられるメッセージは異なります。どんなフェーズでもとりあえず履歴情報を見てクーポンを送るというのではない、別のコミュニケーションの在り方があるはずです。

わかりやすく、ECを例にしましたが、ベースの考えとしては、ECだけでなく、例えば、金融機関や、様々な予約サイト、観光・旅行関連など、One to Oneのコミュニケーションを特に重要視する業種、業界でも同様な発想を持つことが重要と考えています。

ツールを提供するだけではなく、多様なコミュニケーションを提供できるようなシナリオ設計も含めて企業側に提案し、より長い良好な関係を企業とユーザーが作れるようにするのが私たちのやるべきことだと考えています。

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