介護業界向けのみまもりデバイスから始まり、工場向け予兆検知から省力化ソリューションへと、現場の課題を解決するサービスを開発してきたフリックケア。将来的には必要なIT環境をアウトソースで提供するサービスを目指しています。代表取締役社長の工藤純平氏に、製造業が抱える課題や今後の展望について伺いました。

現場で培われたノウハウを止めずに次世代に継承

製造業の現場では、管理職は30代後半~40代前半くらい、その上司が60代前後の世代でその間がいません。そうすると、上の世代がいなくなったときに、今まで蓄積してきた経験やノウハウを次の世代に残すことが難しくなります。それを解決するためにも暗黙知をきちんとデータとして蓄積する必要があります。

特に不具合の工程を記録してどのように対処したかをドキュメント化する作業は重要であるにもかかわらず実際にはなかなかできていませんでした。デジタルデータ化することで、次に類似の不具合が発生した場合、機械のタッチパネル上で作業手順書が見れるようにしたり、将来的にはVRゴーグルから記録した情報を表示して対処するというような活用も考えられます。

「製造業のAWS」をめざす

IoTの価値は、機械の自動化だけではありません。IoT導入によって手書きから解放され作業が楽になると、次は改善要望が自然と出てきます。逆に現場が面倒だと感じるようではいくらIoTを導入しても結果的に利用されなくなってしまいます。現場の意識を変えていくことで、ITと上手に付き合えるようになり、必要であれば自分たちの側を変えていこうという動きが生まれます。私たちは現場を教育し、現場の意識を変えていくこともIoT導入の意義だと思っています。

IT業界はかつて自前主義でデータセンターやラックを借り、ミドルウェア、ソフトウェアとすべて用意して開発を行っていました。しかし現在ではAmazon AWSのようなクラウドサービスを使えば短期間に必要な環境がすぐに準備でき、サーバーについて詳しくなくてもサービスを維持できるようになっています。

製造業は今でも自前主義で高価な機材やソフトウェアを購入していますが、製造現場の意識が変わることでIT業界のようにアウトソーシングが進むと考えています。現状ではほとんどアウトソーシングされていませんが、IT業界が劇的に変わったように製造業も変わっていくはずです。現場の省力化を支援するところから、今後は中小の製造業が必要とするIT環境を提供できるようなソリューションを開発し、製造業のAmazon AWSのようなサービスを提供していきたいと考えています。

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