大垣共立銀行(OKB)は、スタートアップへの融資や提携などで知られる先進的な金融機関の一つです。2018年1月にスマートフォン決済サービス「Origami Pay」を運営する株式会社Origamiへ出資し、2月から同サービスを活用した「OKBスマホ払い」の取り扱いをグループ企業とともに開始しました。今回は、同行執行役員IT統轄部長の安田次朗さんに、スタートアップとの事業に取り組む理由を聞きました。

お客様が必要としているのは「情報」

「スタートアップのサービスを紹介しています」というと、「銀行さんが、何でそんなことをしているの」と聞かれることがあります。

当行の役割の一つは、地域企業に情報を提供することと考えています。スタートアップとの事業で感じるのは、お客様が「スタートアップの情報を得たい」という気持ちが強いこと。それにもかかわらず地方では「それを提供してくれる場所がなく、どうしたらいいのか分からない」という悩みを抱えています。我々はこの解決を目指しているのです。

地銀は地域とともに歩む金融機関ですので、その地域の各企業がいかに活性化するかを考えなければなりません。スタートアップとの事業は、地域ビジネスを創造するという未来に向けての事業。実際、お客様に商品を紹介して、これが役に立ち「ありがとう」の言葉をいただくことがあるのです。これが私たちの大きなモチベーションになり、銀行の新たな役割・可能性を感じる時でもあります。もちろん「あそこの銀行は情報を持ってきてくれる」というところから、お取引が広がるという効果があるのも事実です。

ビジネスを創る銀行に

スタートアップに出資するのは、銀行が課題とお金を出すという役割だけではなく、ディスカッションを深め、一緒にビジネスを創っていくためです。

また、スタートアップと地域企業が集まり、何ができるのか、いかに両者を繋げるかという橋渡しの部分も仕事だと思っています。金融だけでなくビジネスの掛け合わせ、ぶつけ合いにより、新たなものを創り作り出していけるという希望を持っているのです。

テクノロジーがこれだけ発達し、垣根がなくなっている環境だから、この取り組みが実現可能になりました。これまでは、企業がテクノロジーを抱えながらビジネスを伸ばしてきましたが「今は技術をオープンにして、どんな掛け算にできますか?」と発信することが重要です。「銀行自身もどんなふうに掛け算に参加できますか」と問われているのです。今は混沌とした中で膨張が始まっている時代なのかと思います。

従来は経済全体での適正を考えていた銀行が、ビジネスを手掛けていくという位置づけになり、銀行のフレームワークが変わるとも感じます。法規制もありできなかった仕事や、やらずに済んでいた仕事が、新たな銀行の役割になるのです。

「OKBは奇をてらっている」と見る方もいるかもしれませんが、バンカーは昔から事業を創っていたので、今やっているのは原点回帰なのかもしれません。当行では昔から「お客様が喜ぶサービスとは何なのか」ということを考え続けており、これに変わりはないのです。

「当行の最大の資産はお客様」というのは、頭取の言葉です。

地銀の立場は都市銀行とは違い、巨大な融資を動かすようなものではありません。「お客様」も、どちらかと言えば中堅企業や中小企業。もちろん、零細企業も多々あります。この事業ですぐに大きな収益が出るとは思っていません。今は最大の資産である顧客、そしてスタートアップと一緒にビジネスを進め、一緒に学んでいくしかないと思っています。

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