「自分たちが手にし、口にするものは自分たちで育てる」そんな理念から、IoTを活用した新たなプランター「Smart Planter™」を2018年11月にプロトタイプをローンチし、都会での農体験を提案するプランティオ株式会社の共同創業者でCEOの芹澤孝悦さんに話を伺いました。

鉢植えなどで使われているプラスチック製のプランターは芹澤さんの祖父が戦後すぐに発明したもの。畑が消えていく当時の東京で「どこでも、誰でも花とみどりに触れる機会をつくる」ことを理念に開発されました。2019年はプランターの開発開始から70年目にあたります。

「Smart Planter™」はハニカム型のプランターに、太陽光発電装置やカメラ、センサー、通信モジュールを搭載し、スマートフォンのアプリで現在の育成環境を観察でき、「水をあげてください」と言ったアラートも得られます。「芽が出た」「収穫できる」といったデータは蓄積され、AIを使い解析することで、今後の育成に活用されます。

育てられるのはキュウリやナス、トマトといった代表的な野菜に加え、メロンやモモといった果物もあり、その数は約160種類。プランターの上に拡張ユニットを載せれば、ジャガイモやゴボウなどの根菜類も栽培できます。

画像1: 育てたいのはコミュニティ IoTプランターがつくるアグリカルチャーの未来

芹澤さんは「大事なことは育成データを得ることではなく、農体験を通じたコミュニティの形成」と目的を語ります。専用アプリではSNSのように、友達や情報公開しているユーザーが何を育て、何を収穫したかを閲覧・共有して楽しめます。情報は野菜の育成にとどまらず、野菜の交換や、収穫物を持ち込める飲食店など、流通や市場形成も視野に入れ、さらには「どうしたら美味しく食べられるか」といった消費の情報共有も見据えているのです。

「祖父の発明の本質“どこでも誰でもアグリカルチャーの本質に触れられる機会をつくる”を現代風・カジュアルにした」と芹澤さん。

画像2: 育てたいのはコミュニティ IoTプランターがつくるアグリカルチャーの未来

プランティオでは東急不動産などと協力し、ビルの屋上に畑を作る「IoTファーム」の実現を進めており、2019年春には本格稼働を予定。これはオフィスワーカーによる実証実験の場ですが、このほかに誰でも利用可能なIoTファームの設置も都心に進めていきます。また、ジェトロが進めるJ-Startupの22社に選出されており、2019年1月、米国ラスベガスで開催されるコンシューマテクノロジービジネスの展示会「CES2019」に出展します。

芹澤さんは「10年、15年先、日本の農業人口は大幅に減少し、既存の農業のみに頼ることは難しくなる。植物工場などもあるが、テクノロジーだけになっていいのか、という思いで始めた。分散型ベジテーションやマイクロファーミングを進めていきたい」と展望を話してくれました。

画像3: 育てたいのはコミュニティ IoTプランターがつくるアグリカルチャーの未来

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