「参加したスタートアップの共通項は、徹底してマーケットインで考えている点だ」と、イベントに参加した青森県観光連盟の高坂幹専務理事は語る。どこに新しいニーズがあるか、どういう新しい技術がそれを支援できるかを考えている。製品ありき、予算ありきのプロダクトアウトではない。
 
特に「事業のアンバンドリング」は高坂氏の印象的に残った話だった。これまで、地方の企業であっても事業に必要な人は雇用し時間をかけて育てるのが基本。しかし今は、人手不足で採用が厳しいうえに、ビジネス環境の変化も激しい。雇用したらしたで企業側の負担は大きい。そこで、業務を分解して、アウトソーシングすることで効率化を図るサービスが、スタートアップのピッチで紹介された。SQUEEZEである。
 
SQUEEZEは、民泊で部屋を貸したいオーナーが、鍵の受け渡し、問い合わせ対応、清掃など、手間がかかるけれども常駐で人を置くほどは作業量がない仕事をアウトソーシングするサービスを提供する。これは、宿の近辺の雇用を生み、オーナー側のコストも下げる。しかも、こういった一連のサービスを遠隔で達成してしまう。このような、クラウド上でICTを駆使したビジネスは世界中どこにいても展開できるだろうし、そこに地方発展の活路があるのではないか。逆に労働集約型のビジネスばかりの地域は厳しいだろうと高坂氏は指摘した。
 
「スタートアップは、業者ではなく、お客様であり、こういったことを学べる先生でもあるんです」(高坂氏)
 
また、初めて会ったベンチャー・キャピタル(VC)のトップは、それぞれ個性的だったと振り返る。顕著なのが投資先だ。あるVCが投資するスタートアップは、いずれもほのぼのした雰囲気だったという。
  
今回のイベントをうけ「ビジネスモデルは良くても、それを地域に落とし込むのは大変である。その成功事例を知りたい自治体は多いのではないか。自分自身、すでにご一緒したスタートアップと青森での事業展開について具体の話を進めている。今度は現場にいってその後の展開を視察できる企画があったらよいのではないか」と高坂氏はコメントを寄せた。

画像: 【スタートアップはお客様、そして先生
〜事業会社側で参加して】
第1回digital transformation(開催 2/27、企画・主催キャナルベンチャーズ)インタビュー vol. 1 青森県観光連盟 専務理事 高坂幹氏

This article is a sponsored article by
''.